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無音

 創造主。創造神。色々な表現があるが、結局行きつく場所と言うのは、我のような存在であり、人間は我達をありがたく崇めている。

 まあ、半分正解ではあるが、半分間違いでもあるかのう。

 というのも、我は基を作り出しただけであり、それを組み合わせたのは人間である。

 鉱石の神は鉱石しか作れぬ。音の神は音しか作れぬ。しかしそれを組み合わせることが可能な存在が人間である。


 とはいえ、そういう人間という存在を作り出した『神』は、ある種我らが一番警戒すべき存在かもしれぬのう。

 実際、『音を消す』ことも『光を消す』ことも可能な存在じゃったが、唯一奴はそれを知らなかった。『神』の魔力を持つ『女神』は作ることはできても、応用ができない。『今までは』じゃが……。

 じゃから人間を観察し、学習しようとした。無自覚ではあったがのう。


 人の身でありながら『神』を持つあの人間は……まあ今のところ無害ではあるが、あの時使った手段は自身を守る手としては『最善』あり、未来を考えれば『最悪』の手であった。

 唯一女神の特徴である『聞く耳を持たない』という性格に、人間の知恵を与えてしまった。女神がそれを今は受け入れないが、いずれは……。


 そうじゃな、この世界の終末はおそらくあの女神が『目覚める』ことじゃろう。

 音の魔力を持つ少年が女神という存在を『無』にしたが……考えがあと一歩足りなかったのう。


 カミノセカイでも破壊神と言われていた女神。何かを作って壊す。いや、正確には女神は壊すというよりも『無』にしていただけじゃ。

 そして同時に創造神とも言われていた女神は星々を作っていた。


 もしこの力を先ほど使われていたら、おそらく女神は現在『無』の状態であり、いずれ『有』となって元に戻るじゃろう。む、戻るという表現ではおそらくないのじゃろうが。

 そして人間の知恵を持った女神がその自身の存在を受け入れた時、原初の魔力の神々は……いや、我はどうすれば良いか。さすがに神と言えど考えさせられる事態じゃのう。

 人間は神を恐れ、神は人間を恐れ。そのバランスが良い感じに保たれている世界。そこへ人間を恐れない神が現れたら……うむ、さすがの我も荷が重くなるのう。


 時に人間の世界にある音楽を奏でる際の記号の中には……うむ、『終止記号』という物があるそうじゃな。

 はてさて、あやつの今回の旅が『終止記号』によって終わったのか、それともこれがまだ『序曲』だったのか……我は見守るとしよう。


 いつか、音の神として我の前に現れる日を心待ちにしておるぞ。楽器を持つ少年よ。



 音操人の行進曲 了

 こんにちは!いとです!

 すごく長い間あとがきや前書きもしていなかったので、すごく久しぶりな感じもしますね。

 まずはここまでご覧くださった方々、本当にありがとうございました。音操人の行進曲は『音が目で見える少年の物語』ということでのびのびと書かせてもらいました。

 同時に後半こそ少なくなりましたが、この物語を執筆しながら曲作成に挑戦したり、絵について初心者から始めてみたりと、とにかく挑戦というものを同時並行しておりました。


 音操人の行進曲の主人公トスカは『とにかく平凡な少年』をイメージしながら書いていましたが、いつの間にか突っ込みキャラになったり、良いお兄ちゃんみたいな感じになったりと、書いている私も楽しみながら書いておりましたね。

 ちなみに『トスカ』という名前は某クラリネットメーカーで販売されているクラリネット『トスカ』からつけました。そして私の所有しているクラリネットも『トスカ』で、私も演奏しているときは

「今日のトスカは調子がいいなー」

 とか思いながら演奏したりしています笑


 そんなトスカ君の物語はここで終わりとなります。寂しいような嬉しいような、正直どっちもどっちという感じですね。

 トスカ君はガラン王の王様となり、シャムロエはその王女。シャルドネは姫となってマオは……あれ、ヒロイン一名行方不明になっちゃいましたね汗


 今後も次の新しい物語を執筆しながら、のびのびと活動を続けてまいります!

 割烹も元気にのびのびと行進(更新)しているので、よろしければそちらもどうぞ!

 では、改めて本当にありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 行進曲のように楽しく進む(時々シリアス)この物語。 ときれとぎれに読んでいたために長くかかってしまいましたが、ようやくラストまでこられました。 とても楽しい時間でした。 トスカ君、シャムロ…
[一言] お疲れ様でした! 完結おめでとうございます! 前作からずっと読ませて頂いて、ずいぶんと長いこと楽しませて貰いました。 次回作も期待しております!
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