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異端者ですが何か?  作者: 黒野 コスケ
入学編
2/6

#02 入学式 後編

疲れた…

「終わった~」

「気難しい話は嫌いなんだよなぁ~…にしても雫が新入生代表やるなんてな」

入学式恒例の本年度首席入学の新入生のスピーチは、本来首席で入学した憐か映司の役目だが、二人が旧式を志望した為に魔術師学科志望で二人の次に成績の良かった雫がスピーチを行っていた。雫が出てきて一瞬驚いたが、二人は驚いた後眠っていたので、スピーチの内容は聞いていなかった。

まぁ志望しているのが旧式と言う理由でそんな重大な役目を撤回するのもどうかと思うが__なにより目立ちたくない二人からすれば本望だったが。

すると、人垣の中から笑顔で雫が此方にやって来る。何時もなら瞬間移動(テレポート)をして回避行動に移る憐だが、自分達の代わりを努めてもらったので、少しだけ甘えさせる事にした憐はおーいと手を振って雫を迎えた。

「全く、お兄様のスピーチの方が皆様の心に響くと言うのに…お兄様は不満ではないのですか?」

すると、雫の第一声は少し予想外だった。何時もなら「頑張りました!お兄様誉めて下さい!」とか「この雫、お兄様の為奮闘いたしました!」とか言って甘えてくるのだが…人前だからと言う理由で抑えているのなら家に帰ってからが怖い。

「んー…不満ねぇ…」

と雫の質問(?)に答えを探していると、

「貴方達が首席入学の剣ヶ峯 憐君と柳葉 映司君ね」

突然、後ろから少女に話し掛けられる。後ろに立っていたのは、何とも魅力的なチャームの、何処か小悪魔気質なオーラが感じられる少女だった。制服のエンブンムが桜である事を見ると魔術師学科の生徒だろうか。

「私は桜仙魔術学院生徒会長、桐ケ谷 小百合(さゆり)。きりがたにじゃないわよ?きりがやよ?で、横に居るのが風紀委員長草薙 遥」

成る程、生徒会長か。そう考えるとますます面倒臭くなってきそうだと憐は考えていた。

「早速なんだけど、貴方達を生徒会に…「「お断りします」」…え?」

予想外の返答に生徒会長は驚いた様子で目を丸くしていた。

「どうしてか聞いてもいい?」

それでも生徒会長は意識を戻し聞いてくる。其処ら辺の切り替えの速さは流石と思いつつ、憐が答える。

「俺達は極力目立ちたくないんです。生徒会なんて目立つ仕事、引き受けたくもありません。それに、生徒会に向いているのは妹の方です。では」

そう言って立ち去ろうとする二人。すると生徒会長は、

「分かったわ。妹さんを採用させてもらうわ。でも、採用させてもらうには、貴方達が風紀委員に入る事を条件にさせていただきます」

風紀委員。ある意味生徒会より目立つ委員会だ。馬鹿みたいに広い学院内では、魔法での戦闘やらトラブルが相次ぐ。それを取り締まるのが風紀委員だ。(決して魔法科高校の劣○生とかと○る魔術の禁○目録じゃないよ?)そして、旧式と新式の差別に不満を感じる生徒に反感を買いやすく、下手したら憐と映司の『力』がバレる、二人が最もなりたくない委員会だ。それに入れ等とは、生徒会長も随分な条件を持ち出してきた。(無論会長が力の事を知っているとは考えにくいが)

「…分かりました。風紀委員に入るので生徒会だけは御免です」

流石の二人も根負けだ。すると生徒会長は勝ち誇った顔で、

「ふふ………アーッハッハッハッ!どんな男も私のチャームと口説きに掛かれ「無駄ァ!」ふぎゃっ!?」

横でじっとしていた風紀委員長草薙 遥の鉄拳が生徒会長の顔面を捉える。

「すまなかったな、憐、映司、雫。今日はもう戻っていいぞ。風紀委員としての集まりは後日行う」

そう言って、遥は気絶しかけている小百合を引っ張り何処かに消えた…


◇ ◇ ◇

憐と映司は運良く二人揃って1-Eがクラスだった。階段を昇り、教室で自分の席に着く二人。憐はスマートフォン、と言うよりかはデバイスに近いそれを動かし、この学校について調べていた。映司はと言うと…


「私黒井 カグネ!あんたは?」

「…柳場 映司だ。宜しく」

馬鹿みたいに元気な少女に話し掛けられていた。そして、その横には先ほど憐の隣に座っていた黒い髪の大人しげな少女が座っていた。

「あ、あの!」

「ん?」

「私…お、音無…栞っていいます」

その様子を見ていた憐は音無は人見知り、黒井は馬鹿みたいに元気と心に書き留めていた。すると、憐の前の席から、少年が顔を覗かせていた。

「・・・・・なんだ?」

「いやよぉ、すげぇ卓越した奴だなって」

オレンジの髪に緑の目。どう考えても外国人としか言えない容姿の割にはまともに日本語を喋るその生徒に、憐は少しとばかり興味を覚えた。

「俺は剣ヶ峯 憐。お前は?」

「俺はジャン・ピーエル・ラクト。イギリス人だ。宜しくな」

それから二人と映司達のグループは何故か合流し、出会って数時間で仲良しグループ化していた…


◇ ◇ ◇

「ふん。自衛隊の連中が魔術学院等に入り追って。我々の計画の邪魔をするつもりか?」

町外れの廃工場で一人の中年男性と少年が話していた。

「まぁいいっす。剣ヶ峯 憐と剣ヶ峯 誠に対しては恨みがあるっす。この際一気に始末しますよっす」

そして、廃工場には薄気味悪い笑い声が響いた…

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