表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端者ですが何か?  作者: 黒野 コスケ
入学編
1/6

#01 入学式 前編

不束者ですがよろしくお願いします。それと、特撮作品に影響を受けおりますので、そう言ったネタが各所あるのは許して下さい…

魔法__科学とも密接な関係にあるそれは、日本政府の進めていたとある『計画』の副産物として50年程前から世界に普及していき、現在では『魔術師(ウィザード)』や『WSD魔工師』等と言った魔法に関連する職業を産み出した。___その一方で魔法が使えない者や『旧式』と呼ばれる魔法を使う者への差別を壊そうとするテロ組織や魔術師育成学校(魔術学院)内での差別意識を生み出してもいるが。



しかし、成功の歴史には必ず黒い面は存在する。


世界に魔法が普及するその過程で、『人体改造』と呼ばれる技術も日本政府は進め、150人の自衛隊員がその改造を受け、某ライダーや某光の巨人の様な超身体能力を手に入れた。しかし、運悪く政府によって連行され、強制的に改造手術を受けた15~20歳の少年少女は、平凡から抜け出せた者もいれば、その改造手術によって『魔術師(ウィザード』としての未来を奪われ、家族と決裂した者も居た…




この春、日本国内に存在する20校の魔術師育成学校(世間一般に対しては○○魔術学院と言う名称が使われている。これは魔術学院は実際は外国との戦争や紛争で起用する魔術師を育成する為の学校と世間に公表すれば我が国の戦闘魔術師の人員が著しく低下する事を日本政府が懸念している事に由来する)の内、最も難関と呼ばれる桜仙魔術学院に、二人の"異端者(イレギュラー)"が入学しようとしていた…



◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「雫ちゃんに会わなくていいの?憐」

白い髪の整った顔立ちの少年が横に立っている自分と同じ制服の少年に話し掛ける。

「あー…いや、今此処でアイツにブラコン発揮されると後々困った事になるだろうから入学式の後会いに行く」

話し掛けられた少年は何処か卓越した目以外は平凡な容姿だった。すると、少年目掛けて向こうの方から少女が走ってくる。

「あー…すまん、ちょっとテレポートするわ。しずくにはもう体育館に入ったって言っといてくれ」

少年の姿が消えたと思うと、先程の少女がちょうど着いた。

「映司さん、お兄様は?」

「ん?アイツなら体育館行ったよ?」

話し方から白い髪の少年、映司とは親しい関係だとは分かるが、先程の少年を"お兄様"と呼ぶ辺り、あの少年と兄弟で有ることが予想できる。

「映司さん、お兄様はテレポート使いましたね?」


特殊能力でも言うべきなのか兄の行動を読み取るその少女に感心しつつも映司は言い訳を考えていた。あの少年、剣ヶ峯 憐とは共に異端者として歩んできた。この少女が憐の妹と分かっていても、裏切ることは出来ない。しかし、

「お兄様の居場所を教えてください…」

「そんな目で見るなぁぁぁぁあ!」

少女には敵わなかった。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「ふぅ~」

映司がある意味危機状況に陥っている頃、肝心の憐は、既に体育館で席に着いていた。別にこれと言った指定はないのだが、とある理由で憐は一番後ろの列に座っていた。座ったは良いものの、入学式の開始まであと20分はある。暇なので素数を数えようとしたその時、

「横、いいですか?」

と声を掛けられた憐はどうぞ、と愛想良く答える。自分と同じ列に座ると言う事は、彼女も自分と同じ『旧式魔法師科』の生徒かな?と考えつつ憐は再び素数を数え始める。


『旧式魔法師科』、通称旧式は現在魔法を使用する上での必須アイテムWSD(Wizard·Support·Device)、魔術師補助端末を使用しない旧式の魔術師(旧式においては魔法師と呼ばれる)、つまり従来の杖や魔術書を使用する魔法師を目指す者の為の学科である。最も、WSDを使用する一般的な学科、差別用語として『新式』と呼ばれる魔術師育成学科の生徒からは出来損ない等と言われる学科であるが。


それと、WSDについてだが、WSD(Wizard·Support·Device)、正式名称は魔術師補助端末と言うそれは、内部に魔術式記憶円盤と呼ばれる魔術書等に書いてある術式を記憶しているディスクと魔力を感知し、その魔力をディスクに伝える役目を持つ魔導石と呼ばれる石があり、魔力石魔力を感知し、魔力を伝える事でディスクに記憶している魔法を発動出来ると言う優れものだ。最も、魔法発動に必要な演算能力の補助等の機能は存在していない為、とある『事情』により、演算領域が丸ごと”消失”している憐に関係の無い品物だ。


気付くと、横に映司が疲れきった顔で座っていた。

「どうした?雫はうまく巻けたか?」

「この状態で巻けたと思った!?」

半分怒った口調で返してくる映司。そう考えると疑問が憐の中に沸いてきた。

「え?じゃぁなんで雫居ないの?」

あの重度のブラコンが簡単に情報を持った映司を開放するとは思えない。すると映司は搾り取ったかの様なかすれた声で、

「なんでも生徒会の人やらなんちゃらが来て渋々話し聞いてたからその隙に逃げて来た…」

と映司は言って力尽きた。

映司は5年前、路上で倒れていた所を憐が保護した際に出会った数少ない憐と同じ”異端者”で、『アカシックレコード』と呼ばれる宇宙創造からの全ての記憶を所持していて、その影響で演算領域が消失していて、憐と同じ旧式魔法師科に入学した。


「ほら、入学式始まるぞ」

さらっとグーで映司を殴り、二人は前を向いた…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ