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朧時 ~終わりない夢~  作者: 佐治道綱
第一章 殺しの売人
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0:「昔見た夢」


 


 誰もいない。


 綺麗な街並みと地平線へと続く道。


 空は晴天、しかし薄暗い。


 薄暗い空に太陽が浮かんでいる。


 街の鉄塔がオレンジ色に煌く。


 何かがおかしい太陽の光。


 まるで作り物の太陽。




 道を進む。


 歩いているというよりも周りの風景が流れていく感覚。


 山の緑。美しい光景に心和む。


 街は山の斜面に並び、道も山の上へと続いていく。




 道を登る。


 どこまでも行ける道。


 街は消え、緑も消え、道も消えていた。


 太陽の向こう側だ。


 そこには青と白だけ。


 果てしない空が広がっている。


 美しい青空、白い雲。




 空の窓が浮かんでいる。


 空の窓に立ち、どこまでも広がる空を眺めた。


 ここには上も下もない。


 右も左も意味をなさない。


 空の寒さを感じ、日差しの暖かさを感じる。


 空はとても明るいが、そこに太陽はなかった。




 囁く声が聞こえる。


 「ようやく来たね」


 空の窓の向こう側だ。


 声は響く。


 「あなたは本来こっち側の人なんだよ」


 姿は見えず、窓の向こうには空があるだけ。


 声は誘う。


 「早くこっちへ」




 足を踏み出そうとすると、空の様子が一変した。


 空の窓の向こう側。


 空が流れる。


 落ちていく空。




 いつか見た風景。


 しかし、違う場所。


 「それはそうだよ」


 声が囁く。


 「ずっと昔に見た夢だからね」




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