1話 私が女の子になった理由
私は小学生の頃、よく泣いていた。
クラスのみんなに仲間外れにされて
いつも独りでいた
教室でみんなに馬鹿にされ、
いつも悔しい思いをしながら
学校からの帰り道、
私は泣きながら家に帰った。
クラスのみんなが私を、
仲間外れにしていた理由は・・・
私自身にあった。
私、小橋 璃霧は
普通の男の子とは違っていました。
他の男の子とは違い可愛い人形や、
可愛い絵柄が好きで、
筆箱や鉛筆は、いつも女の子物を持っていた。
外見は男の子の格好をしていたけど、
言葉遣いや行動が女の子の様だった。
自分から意識してそうしていた訳じゃない。
自然と過ごしていたら
いつの間にかそんな風になっていた。
幼稚園の時は私の言葉遣いや、行動のことは
友達からあんまり言われなかったけど。
小学生になった頃から段々と
友達に気持ち悪いと、言われた。
私のことを気持ち悪いと
最初に言ってきたのは、男の子だった。
それから段々と友達は私から離れて、
小学生二年生の頃には
私はクラスで、独りぼっちになっていた。
休み時間や、お昼休み、
教室の隅で独りぼっちでいた私は、
教室の窓から
空を見上げることしかできなかった。
学校からの帰り道、私はよく泣いてた。
教室で泣いてしまうと
更に意地悪されてしまうから、
教室では出来るだけ泣くのを我慢して、
帰り道で泣くようにしていた。
凄くやさしかったママは
泣いて帰ってきた私を、
いつも優しく抱き締めてくれた。
ママは、私が泣いて帰ってきた理由を
何度も聞こうとしてくれたけど、
私は理由を言えなかった。
私が学校で独りぼっちでいると
知ってしまったら、
ママが凄く悲しむと思って
どうしても理由を言えなかった。
ある日教室に入ると、
私の机に酷い落書きがしてあった。
私はあまりのショックに
学校を途中で飛び出して家に帰り。
私は、ママに泣き付いた。
学校を途中で
泣いて帰ってきた私を見たママは
凄く悲しい顔をして、涙を流した。
もう学校の事を黙っていられなかった私は、
前から学校で独りぼっちになっていて、
その日机に落書きがあったことを言った。
それから私は、しばらく学校を休んだ。
私が学校を休んでいる間もママは
凄く優しくしてくれたけど、
私は自分が惨めで仕方なかった。
私はその時の自分をどうしても変えたかった。
だから私は、男の子の格好をやめて
女の子のような格好をするようになった。
最初は髪形から少しずつ変えていって、
私の性格は段々と明るくなっていった。
ママは私の事を理解してくれたのか、
女の子用の服をたくさん買ってくれた。
学校を休んで半年たった頃には、
私の格好は完全に女の子になっていた。
髪も長くなり女の子らしくなった私は、
凄く変われた気がした。
だから私は、もう一度学校へ行くことにした。
ママは、最初は心配そうな顔したけど、
「もう大丈夫だよ」って、何回も言っていたら
学校へ行くことを応援してくれた。
そして私は学校へ行った。
教室に入る時は、凄く怖かったけど
変われた自分を信じて
教室に入った。
私は半年ぶりにクラスメイトたちの顔を見た。
最初はみんな私のことが
誰だかわかっていなかった。
半年前と違ってクラスのみんなは、
席替えをしていて私の席がわからなった。
私は教室で、自分の席を探していたら
みんなは知らない子に話し掛けるように
声を掛けてきた。
君はこのクラスじゃないよね?とか、
転校生?とか、色々言ってきたけど、
私は気にも留めず自分の席を探した。
半年前に自分の席に置き去りにしてきた
自分の持ち物を見つけて、
私は席に着いた。
クラスのみんなは席に着いた私を見て
最初は凄く驚いていたけど、
私だとわかるとみんな私を無視した。
みんなに無視されていたけど、
私は泣くことはなかった。
変われた自分に自身があったから、
無視されても平気だった。
私は、前の私とは違う。
だから明るく元気でいよう、
私は自分の心にそう言い聞かせて、
無視されても明るく挨拶をしたり
休憩中や放課後には笑顔でいるようにした。
そうして、毎日過ごしていたら
クラスメイトの一人が
挨拶してきてくれた。
私はとても嬉しくて、
一段と明るく挨拶した。
そうしているうちにクラスメイトが、
一人、また一人と声を掛けてくれて、
友達も出来て、次第に私を無視する人は、
いなくなっていった。
それからの学校は凄く楽しかった。
よく泣いていた昔の私は、もういない。
私の心と外見は完璧な女の子になった。
中学校も凄く楽しく友達もたくさんできたけど、
私は自分が男の子だと
秘密にするようになった。
もう昔の自分には戻りたくなかった。
性別のことを質問されると、
よく泣いていた頃の私を思い出すようで
凄く怖かった。
だから、小学生のクラスメイトや友達に
事情を話して協力してもらい
私が男の子だと秘密にしてもらった。
そして私は中学二年の時、パパの転勤で
転校することになった。