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プロローグ
私は今、
高校の文化祭で講堂のステージに立っている。
今日はバンドとして文化祭に参加し、
みんなの前で歌う為
こんな私がみんなの前で唄うことになるなんて、
高校に入学した頃の自分からは想像もできないことだ
あの頃の私は凄く臆病者で、人見知りで、
親友がいないと何もできなかった。
でも、今ここに立っている私はあの頃とは違う。
体を突き上げる鼓動。
曲が始まるにつれ、高揚していく体。
昔の私なら緊張して
そのまま泣き崩れて、
何も出来なかっただろうけど。
今の私はとてもこの時を楽しみにしていた。
私を変えてくれた親友、恋人、友達。
いくら言葉を並べても伝えきれない
感謝の気持ち。
そんな想いを歌声にのせて、
スタンドマイクを握り、私は歌い始める。