96/137
アダムの力
永遠はゆっくりとアダムに顔を向け、彼を凝視した。
アダムは慌てて先を続けた。
「いやいや、そうじゃない。川に突き落としたのも、毒を盛ったのも僕ではないよ。そのことではないんだ」
永遠は止めていた息をそっと吐いた。
「実はね、僕は触れた相手の心を読むことが出来るんだ。それで何度か、あなたの心を覗いてしまってね。…実は今も」
「あの時もですね?初めて会ったとき。私、あなたの目が光るのを見たような気がしたんです」
アダムから小さな笑い声が漏れた。
「ああ、見られてしまったか。クリスチャンは嫌がるんだが。すまないね、あなたがどんな人か知りたかったんだ。僕もイヴも親バカで」
だからあの時、クリスチャンはアダムさんから私の手を引き抜いたのね。
永遠は首を振った。
「いいえ。子どもを大切に思うのは当然のことだと思います」
「あなたの親御さんは聡明な娘を授かったようだね」
永遠は小さく笑った。
「後もうひとつ、イヴのことなんだが…許してやってくれるかい?」
永遠の笑みが消えた。
アダムはため息を吐いた。
「彼女はね、昔は人間だったんだ。だが僕がヴァンパイアに変えた。だから、あなたのことが羨ましいんだと思うんだ」
「羨ましい?」




