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毒を摂取する
「待て!」
クリスチャンがコップを奪った。
「どうしたの?」
永遠は驚き目を見開いた。
「君は今朝、ブリスに水を注いでやった…自分の水差しから」
永遠の目がますます大きくなった。
「まさか…」
クリスチャンは黙ってジュリーにコップを渡した。
しばらくコップに触れてからジュリーは目を上げた。
「ビンゴ」
コップを揺する。
「毒だわ。でも良かった、飲んだのが永遠じゃなくて」
「そんな!ブリスが苦しんでいるのに、どうしたらそんな風に考えられるの!」
永遠は声を荒げた。
ジュリーは永遠を視線で射抜いた。
「世の中きれいごとばかり言ってられないのよ、永遠。本当に彼が苦しむくらいなら、自分が死んでいた方がよかったと言うの?」
永遠は言葉を紡げずに開いた口を閉じた。
「そうよ。あなたが飲んだら死んでたわ。だけどウェアウルフなら、毒が体から抜ければ元通り元気になる」
その言葉に触発されたかのように、ブリスの腹から大きな音がした。
ブリスは上掛けをはねのけると、何時間か前と同様に部屋を飛び出した。
半分開いたままのドアに近寄ると、部屋から一歩を踏み出す前に永遠は一瞬立ち止まった。
「少し、外の空気を吸ってくるわ」




