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ラストメモリー  作者: 黄昏アオ
ブリスを中心に話は回る
88/137

キティーの秘密

 下を向いたキティーがいそいそとグラスを持ってきた。

 「ありがとう」

 元来お金持ちのジュリーは仕えられることに慣れているから、くつろいでグラスを傾けた。

 「あの…お嬢様、のぼせないうちにお上がりになるようにとクリスチャン様が」

視線を逸らせたままキティーがバスタオルを広げた。

 タオルに手を伸ばした永遠を横目で見て、ジュリーがグラスを口につけたまま言った。

「同性のわたしに見られるのは恥ずかしがるのに、キティーは大丈夫なの?」

 「どういうこと?」

 永遠はキティーを見た。

 キティーは全く永遠と目を合わせようとしない。

 「気付いてなかったの?その子、男よ」

 「そんな…嘘よね?」

 キティーは唇を噛んで手をこぶしに握っている。

 どうして否定しないの?

 「だってこんなに可愛らしい顔してるの…に」

 「そうよ。多分、顔のせいでしょうね。イヴが女の格好をさせてるのよ」

 キティーの身体は小刻みに震えている。

 永遠は自分が裸なのも忘れて湯から上がるとキティーの手を握った。

「あぁ、キティーかわいそうに」

 ありきたりな言葉しかかけられない自分が歯がゆい。

 「ぼっ、私はずっと、お嬢様に嘘をついていました」

 思い返せばキティーは何度か言い直していた。“僕”を“私”と。

「気にしないで。あなたのせいじゃないんだから」

キティーが頬を染めて永遠にタオルをかけた。

「…湯冷めしてしまいます」

 永遠も頬を染めた。


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