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モミの木
永遠の反応を見ようとちらりと横を見下ろした。
永遠はくつろぎ腹を見せるウサギを抱いて、そびえるようなモミの木を見上げている。
「すごく大きいわ。いつからここに根を下ろしているのかしら」
木に近づき手を触れる。
「こいつは両親が植えたのだ、わたしが生まれたときに」
「じゃああなたの兄弟なのね。六百年もここで見守ってくれているんだわ」
永遠の言葉に驚いた。
自分もそう感じていたから。ただの木が兄弟だなどと言えば笑われるかと思ったが、移ろいゆくものの中で共に成長してきたのだ。そこには思い入れ深いものがあった。
「立派なクリスマスツリーになるでしょうね。ちょっと不謹慎かしら?」
クリスチャンは笑った。
「そんなことはない。クリスマスには飾り付けをして共に祝おうか」
永遠はウサギの柔らかな毛を撫でた。
「…そうね。きっと素敵でしょうね」
思わず永遠を抱きしめた。
「あぁ、永遠。大丈夫だ、きっと大丈夫だから。あれ以来痛みはないのだろう…?」




