捕獲
「捕まえたぞ、ほら」
ぶらーんと目の前に突き出されたウサギは、クリスチャンに襟首をつかまれ変な顔をしている。
そろそろと両手を上に向けるとウサギが下ろされた。
「あったかくてかわいい」
「オスだぜ、これ」
ブリスがウサギの耳を引っ張った。
「えっ、そうなの?どうしてわかったの?」
永遠もウサギの耳を突っついた。
「…それ俺に聞くの?男と女の身体の違いくらい知ってんだろ?」
「あぁそういうこと。ペットなんて飼った事ないから、動物は別なのかと思ってたわ」
視線がブリスのズボンを彷徨った。
ブリスが慌てて視線の先を手で覆った。
「待て待て、それは永遠のイメージが崩れる!」
野ウサギのくせに永遠の膝の上でされるがまま大人しくしている。
「君はブリスといい、野ウサギといい、動物に好かれるな」
「えへへ」
「俺は動物じゃねぇ!」
ブリスは永遠に笑顔を向けられて、否応なく顔がほころんだ。
「まぁ半分は狼だけど」
「この子もウェアラビットってことはないわよね?」
永遠はウサギを持ち上げた。
「いや、そんなのいないから」
「あっそうだ。クリスチャンごめんなさい、先に少し食べてしまったの」
「気にしなくていい。君が食べる分には嬉しい限りだ」
クリスチャンが握った手の甲でウサギの頭を撫でる。
ウサギに表情があるのかはわからないが、永遠にはウサギがムスッとしたように見えた。




