世話を焼く
永遠はキッチンへと足を踏み入れた。
「お嬢様!」
コックや使用人が一斉に姿勢を正した。
「あっ、ごめんなさい。どうぞ皆さんお仕事を続けて下さい。私はただカップを返しに来ただけですから」
一人また一人と少しずつキッチンが動き始めた。
キティーがおずおずと進み出る。
「滅相もありません。放って置いて下されば私が片付けましたのに」
「そんなの悪いわ。すごくおいしかった、キティーが淹れてくれたの?」
「…はい、お口に合って良かったです」
キティーは下を向いて手を揉み絞っている。
恥ずかしがり屋さんなのね。
「あっ、そうだ。頭痛とか胃もたれに効く薬はある?」
「具合がよろしくないのですか?」
永遠は手を振った。
「私じゃなくてブリスがね。二日…」
キティーがぱっと顔を上げた。
「ブリス様が!?大変だ」
キティーは走って行ってしまった。
ブリスを見なかったかも聞くつもりだったけど、あの様子じゃ知ってるわけ無いわね。
「おっお嬢様、これを、ブリス様にお渡し下さい」
キティーが息を切らして戻ってきた。
小さな包みを受け取った。
「早くよくなられると良いのですが」
キティーはまた手を揉み絞っている。
もしかして、キティーはブリスのことが…。
「そうね。ありがとう」
今、すっごくお節介を焼きたい気分だわ。
永遠はニヤニヤしながらキッチンを後にした。




