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ジュリーとルーク
「人間って短い命なのに、どうしてわざわざ楽しみを奪うような決まりを作るのかしらね?」
永遠はただ肩をすくめた。
ジュリーはひとつずつ指先で軽くグラスに触れていった。
「ワイン、シャンパン、アセロラジュース、ピーチカクテル、ウィスキー、牛乳…」
永遠はジュリーを見つめた。
「すごい!ヴァンパイアの力?」
ジュリーがアセロラジュースと言ったグラスに口をつける。
確かにアセロラジュースだわ。
「わたし、触れたものの成分がわかるの」
へぇーと永遠は頷いた。
目はクリスチャンを探していた。彼の相手の女性が赤い髪で少しドキッとした。だが赤い髪は短かった。
「彼はイイ男よね」
「えぇ」
上の空で答えてから、ジュリーの言葉に気付いて顔を赤らめた。
「あなた、彼のところに戻りたいんじゃないの?わたしのことは気にしなくていいのよ」
「いいえ、もう疲れちゃったの。私はヴァンパイアじゃないのよ?」
永遠はジュリーを見ていたが、ジュリーは下を向き、空になったグラスを弄んだ。
「…永遠は、どうしてわたしがルークと結婚しているのか、不思議に思わない?」
恋人かなとは思ってたけど、まさか結婚してたなんて。口が裂けても二人がお似合いの夫婦だとはいえない。




