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乱れた服装
永遠は首を傾げた。
「『ヴァンパイア以外の人』と言っただろう。ここにいる純潔の人間は君だけだ。もし言うなら『ヴァンパイア以外の生物』だな」
彼女が眉をひそめる。
「すまない、説教臭くなってしまった。君が…」
クリスチャンはゆっくりと首を振った。
彼女から目を離し、先ほどとは打って変わった口調で言う。
「覚える必要はない。わたし自身、皆を知っているわけではないのだ。だが見分けるのは簡単だ。ヴァンパイアは黒を好む」
永遠は辺りに目をやった。確かに黒いドレスやタキシードの人が、いや、生物が大勢いた。
「そしてデーモンは自尊心が強く見栄っ張りだから、派手な格好をしているだろう?ウェアウルフは…」
クリスチャンはブリスを一瞥した。
つられて永遠も視線を移した。
「身なりを気にしない」
ブリスのジャケットのボタンは全てはずれ、タイも曲がっている。
「もうブリスったら」
永遠はボタンを留め、タイも直してやった。
クリスチャンは永遠を横目で見ながら、そっとタイを引っ張り緩めた。




