48/137
人として生きる
二人が離れるのと入れ替わりにブリスが近づいてきた。
「すげー、綺麗だ」
心のこもった賞賛に永遠は、はにかみの表情を浮かべつつも小さな笑い声を漏らした。
「ありがとう。クリスチャンのおかげよ」
ブリスは片方の口角をだけを上げて皮肉な笑みを形作り、無言で頷いた。
クリスチャンは永遠の言葉に誇らしそうに笑みを浮かべてはいても、ブリスのように手放しで褒めてはくれない。
永遠の笑みが小さくなった。
「綺麗なのはあなたの方よ。女性たちはみんな、あなたのことを見ているわ」
ブリスは辺りを見回し、眉を上げた。
「男も見てっけど」
「永遠の事を見ているのだ」
クリスチャンは口元を引き締めた。
永遠の腰に腕をまわし、男ならではの方法で崇拝者たちに自分のものだと見せつけた。
「ではホールを回るとしよう。このままでは向こうから押しかけてきそうだからな」
背の高い壮麗な二人の男に挟まれ、次から次へと相手に会う度に永遠の頭は混乱の一途をたどった。
「クリスチャン、ここにはヴァンパイア以外の人もいるのよね?私、もう覚えられそうにないわ」
クリスチャンはヴァンパイアの笑みを浮かべた。
「君はやはり人間だな」




