果てなく続く階段
彼女が階段を下りてくると、ホールにざわめきが起こった。誰もが永遠に目を向けており、クリスチャンとブリスもその例に漏れなかった。
ドレスは肌の色の白さを引き立てつつも健康的に見せ、ぴったりと体のラインにフィットし、膝から下に流れる様子は繊細な美しさを演出していた。髪はキティーの手でアップにされ、頬にかかる後れ毛がアンニュイな雰囲気でありながら、パールは温かみを持って各部分に馴染んでいた。
「すげー…」
自分自身、粋にタキシードを着こなしているブリスが言葉を見つけられず、最もストレートに感想を呟くのが聞こえた。
招待客の中からも賞賛の声があがるのをクリスチャンの耳が捉えた。
クリスチャン自身も永遠の姿を視界に収める前から彼女の存在を感知し、階段の踊り場を見上げていた。そして彼女が姿を現してからは、目を逸らすことなど不可能だった。
彼女のためにあつらえさせたドレスも、高価な装飾品も、美しくはあれど添え物にすぎない。
本当に美しいのは永遠だ。
今日の彼女は頬に赤みが差し健康そうで、内面から輝きを放っていた。
…病など忘れたかのように。
…これからふつうの人間がもつくらいの命は共に過ごせるかのように。
胸に巣食う苦痛に、実際に痛みを感じたようにクリスチャンは胸を押さえ顔を歪ませた。
それでも一時たりと永遠から視線を外すことの無かったクリスチャンは、彼女の足取りが乱れたことを頭が理解する前に体が動いていた。




