表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストメモリー  作者: 黄昏アオ
婚約パーティーは波乱の匂い
43/137

ロンドの始まり

 パーティーが始まってしまった。階下からは招待客たちの話し声が響いてくる。

 どうしよう、何を着ればいいの?

 持ってきたトランクを引っ掻き回してみたものの、相応しいものは見つからなかった。

 どうしてパーティーなのにドレスを持ってこなかったの?

 なぜならドレスなんて持ってないからよ、おばかさんね。

 眉を寄せ複雑な表情を浮かべる。

 ワンピースじゃ駄目かしら?

 そのうちの一着を手に、そっと部屋を抜け出て階下を覗くと、色とりどりのドレスが目に入った。

 駄目よ。これじゃカジュアルすぎるわ。

 いっそ昨日の、灰色のずた袋に身を包もうか。一応ドレスだしワンピースよりは浮かずに済むかも。

 「すまない、遅くなってしまった」

クリスチャンが部屋に滑り込んできた。クリスチャンはタキシードに身を包み、髪はひとつに縛られている。その戒めから抜け出した一房が額に垂れかかり、ロマンティックな雰囲気を醸し出していた。

 クリスチャンがこんな盛装をしているなら、ますます浮いてしまうわ。

 永遠はため息を吐いた。

 「これを身に着けて欲しい。わたしが選んだものだから君が気に入るかどうかはわからないが」

 ピンクのリボンがかかった白い箱を受け取り、鏡台に載せた。

 リボンを解くと、中には袖の無いシャンパンゴールドのドレスと揃いの手袋、パールの装飾品一式が入っていた。

「クリスチャン…嬉しいわ。だけどこんな高価なもの受け取れない」

 「そんなことを言わないで、着飾った君が見たいのだ。わたしの為に身に着けてくれ。それに後であげたい物がまだあるのだ」

 「…ありがとう、クリスチャン」

彼の首に腕をまわし引き寄せると、頬に唇を押し当てた。

 クリスチャンは驚いたようだが、その後で優しい笑みを浮かべた。

「侍女は呼んである。私は下で待っているから」

 クリスチャンと入れ替わりにキティーが入って来た。

「素敵な婚約者様ですね」

 永遠は笑みを浮かべた。

 「ええ、私にはもったいない人だわ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ