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エリカ再び
イヴの後に続いて部屋に入ると、そこには腕を組んだエリカとかわいらしい女性がいた。
「ちょっとキティー!ドレスに皺が寄ってるじゃない。こんな簡単なことも出来ないの?」
「申し訳ありません、エリカ様」
「エリカ?連れて来たわよー」
エリカと女性がこちらを向いた。女性の大きな瞳に浮かんだ涙に気付いて、永遠の胸が締め付けられた。
「あんた名前は何だったかしら?トリだったかワコだったか、印象が薄すぎて忘れちゃったわ」
アハハとエリカのわざとらしい笑い声が響く。
「永遠よ」
永遠はポツリと呟いた。
「キティー、用意したドレスを持ってきてー」
慌ててキティーが灰色のドレスを手に戻ってきた。
永遠は手渡されたドレスを掲げた。それは飾り気のないモスリンで出来ていて、色は雨に濡れたネズミの色だった。
「まぁ、あなたにはお似合いよー。ねぇ、エリカ?」
「ええ、おば様。そのくすんだ色が良く似合ってると思うわ」
二人は顔を見合わせ笑った。




