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ラストメモリー  作者: 黄昏アオ
流離う心たち
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吸血

 乾いた服に着替え、タオルを抱えた永遠が二人の間に飛び込んだ。

「ブリスもこれで拭いて。あと服は…」

ブリスにタオルを渡し、クリスチャンを見る。

「クリスチャン」

 「勝手にしろ」

 「ありがとう。すぐに食事を用意するわね」

 クリスチャンは意味ありげに永遠を見下ろした。

「その必要はない。今夜は君の血を頂く」

 永遠はクリスチャンに抱き寄せられた。

 その様子に目を眇め、ブリスはタオルをかぶるとガシガシと力強く髪を拭いた。

 髪に手を差し入れられ頭を仰け反らせた永遠は、首筋にクリスチャンの温かい吐息を感じてぞくっとした。牙が埋められると目を閉じ、その唇からは喜悦の小さな声が漏れる。

 クリスチャンは口を動かしながら、視線だけを上げブリスを見た。

 見せつけるようなクリスチャンの仕草に、ブリスは舌打ちして目を逸らす。

 飢えを満たしたクリスチャンは唇に残る永遠の甘い滴を舐め取り、力の抜けた永遠を抱き上げた。

「部屋へ運んでやろう。食事はあとで持ってゆく」

 頬をかすかに染めた永遠は頷くことしかできない。食事のことなんてどうでもいいのに。今は何も考えられない。ただクリスチャンを感じ、彼の中に自分が取り込まれていくその感覚に頭がボーっとしていた。

 ベッドにそっと下ろされてシーツがかけられた後も、永遠はまだふわふわと揺れているような感覚を味わっていた。体が熱くて彼の手が離れても心もとなく感じない。

 クリスチャンは永遠にちらりと視線を走らせただけで部屋を出た。

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