雨粒にさようなら
館の前で永遠は立ち止まった。
横にいるブリスを見て頭を悩ませる。この子に狼に戻ってもらった方がいいのかしら?クリスチャンは機嫌がいいとは言えない。それなのに半裸の美しい男をブリスだと言っても信じてはもらえないだろう。クリスチャンがどんな反応を示すか神のみぞ知る、だ。
「ねえ、ブリス…」
「あいつのことなら気にすんなよ」
ブリスは中へ入ってしまった。ならばもう、なるようにしかならない。永遠は館に足を踏み入れた。
「永遠、雨なのにまた外へ行っていたのか?びしょ濡れではないか。早く着替えてきなさい」
クリスチャンはブリスを見ても何も言わず、永遠にだけそう言った。
「あの、クリスチャン、この人はブリスで実はウェアウルフだったの。それで…」
クリスチャンは揺るがぬ視線で永遠を射抜いた。
「着替えてくるんだ!」
ビクッとしてもごもごと謝罪の言葉を呟きながら、永遠は部屋へ駆けた。
「そんな言い方しなくたっていーだろ?永遠はあんたのことを思って毎日毎日外に出っ放しなんだぜ」
クリスチャンはブリスをねめつけた。
「何様のつもりだ?お前に口出しされるいわれはない。第一お前はいつまでここにいるのだ?」
「いつでも出てってやるよ、永遠を連れて」
クリスチャンは嘲笑った。
「彼女がそれを望むとでも?そもそもお前に行くところがあるのか?」
ブリスは牙を見せた。
「あんたといたがるとは思わないね。現に永遠はほとんど外で俺と過ごしてた。あんたといたって永遠は傷つくだけだ」
二人は睨みあった。互いの痛いところを突いて。




