上
「ねえ、結局、ここには何しに来たの?」
「ええと、失恋……?
……っていうわけでもないかもしれない」
──乙一『マリアの指』より。
その町には、ある『2つ』の事件があった。これは、そのことについての忌憚なき奇譚である。
とはいうものの、これは、まだ終わっていない話である。そして、これからも終わることはないだろう。町を巻きこんだ抗争は、すでに町の人口をすべて喰い潰すまで終結しない。いまもって終息に向かうことのない『2つ』の事件は、果たして、それくらいで落ち着くものなのか……無論、それは謎である。
どんな終わりも、そもそも終わりがあるのかもわからないその事件は、どこのだれによってもたらされたのだろうか──それも、謎である。
ただ起きている。自然現象のようでいて、その実、明らかな何者かの悪意を感じるその2件は、始まりすらわからない。ただ、大勢の人間が死んだ。死に続けている。
しかしまあ、これ以上書き連ねていると、それこそ終わりが見えない。
前置きはこのくらいにして。
では──本題に、這入ろう。
ΨΨΨΨΨΨ
「──山田くん」
呼ばれて、山田ユウキは足を止めた。
振り返ると、どこか見覚えのある顔──っていうかクラスメイトだった。
「えと……か、川中島、さん……?」
ユウキは自信なさそうに言った。顔や名前を覚えるのは不得手なのだ。
「人を、好敵手の合戦地みたいに言わないで」
「え、ごめん。でもあれって、史実にはないんじゃなかったっけ……?」
「え! うそ!」
違ったっけ? 適当に会話を繋げるために言ったことだったので、よく知らなかった。日本史が得意というわけでもない。
そんなことを考えているうちに、彼は相手の名前を思い出した。
「それで、川上さん。は」
川上ミキ。そういう名前だった。
「──川上さんは、それで、僕になんの用?」
「ハンカチ」
落としたよ、と。彼女は、手のひらを差し出して、言った。
「え……、ああ。ありがとう。気づかなかった」
正確にはハンカチではなく、ハンドタオルだったが、それは指摘するほどのことでもない些末な問題だった。
受け取ろうと手を伸ばす。
「えっと……、川上さん?」
「………………」
なぜか渡さない。困惑していると、ミキはぎゅっとユウキのハンドタオルを握りしめ、顔を上げた。
そして言う。
「普通と、落とす方が逆だね」
「……? えと、なんの話?」
なにを言われているのかまったくわからなかった。ただ、ミキがあまりにも真っ直ぐに自分の目を見てくるので、少し怖かった。女子と目を合わせてしゃべるというのは、思いの外、難易度が高い。
「──うん。決めた」
「え?」
「山田くん、今日、一緒に帰ろうよ」
「…………え?」
本当に意味がわからなかった。全然、脈絡がない。やめて欲しい。女子と一緒に帰るなんて、自分にはムズゲーすぎると思った。
だが、よくわからないまま、山田ユウキは川上ミキと仲良く一緒に帰ることになった。二人きりで、帰ることになった。
聞いてみると、帰る方向は同じだったので、断れず、そして、ミキを家まで送ることになった。
「まあ、最近この町物騒だから、それは構わないんだけど……」
「だけど、どうしたの?」
無邪気な瞳で訊ねてくるミキ。無邪気、だからこそ、なんというか……。
「釈然としない……」
「そう?」
「なんか、嵌められたって気がする」
「嵌められたって……なんでわたしがそんなことするの」
「それはこっちが聞きたい……」
む。ミキは頬を膨らませた。「わたしは、彼氏にそんなことはしないよ」
「は? 彼氏!? なんのこと……っていうか誰のこと!?」
「山田くんのこと」
ユウキは狼狽した。初耳だった。謎すぎる。女子ってみんな、こうなのか!?
混乱しつつも自分は告白なんてした覚えも、された覚えもない、という内容のことを、つっかえつっかえミキに告げた。
するとミキは。
「ハンカチ」
と、また一言で言った。
「は、ハンカチ? ハンカチが、どうしたって言うんだ」
まだ戸惑っているので、若干詰問調になってしまう。ミキは言った。
「拾ったじゃん」
「拾った……。いや、そうだけど」
「フラグ立て完了、でしょ?」
「……え……あ……」
普通と逆だけど、ね。にっこりと笑顔の彼女に、ユウキは口をぱくぱくとさせた。ダメだ。理解が全く追いつかない。
「か、川上さん。えっと、あの……カワカミミキって言いにくい名前だよねっ」
「彼に突然自分の名前をディスられた──!!」
「あ……、ごめん。川中島さん」
「だからって『カワナカジマ』は言い間違いにしては強引過ぎるし、カワナカジマミキも相当言い辛いよね?」
ミキの『にっこり笑顔』の種類が変わってきた気がする。いけない。
(っていうか、〝川〟しか合ってないじゃん)
ミキは口を尖らせた。もうちょっと自然に間違えて欲しかった。
「というかクラスメイトの名前を間違えないでよ……。もう12月だよ? なんで覚えてないの」
「いや、覚えてるよ。覚えてるんだけど……あの、咄嗟には出てこないというか」
「1年経つよ? それに『川中島』は咄嗟には出てこないでしょ」
うぐ。返す言葉もなく項垂れるユウキに、「で」と、ミキは切り出した。
「で。わたしが、どんな風に山田くんを『嵌める』って言うの」
「いやあのほら、最近頻発してる『誘拐事件』の〝盾〟にするとか、さ。色々あるじゃん……」
「……へー」
ミキの視線の温度が10度くらい下がったような気がした。「わたし、そんな冷たい女に見られてたんだー」
「え……いや! 違うよ! そういう可能性があるってだけで──あらゆる可能性を考えてみただけで。ほら! 最近物騒なんだし! 考えることが大切なんだよ……」
「もう怒った! ちゅーしてやる!」
「なんで!?」
本当になぜだ! 抵抗する。
「え……、わたしとキスするの、そんなにいや……?」
「いやじゃないけど……ってしないからね!?」
「あ。ちょろいかと思ってたのに……」
「なんなんだ君は……」
……実に平和なやりとりだった。
だが。
この町には、そんな平和なやりとりの裏に、闇があった。
それは、ある『2つ』の事件である。
……川上ミキの住む家に着くまで、まだ少し時間がある。
では、そのことについて、少し話そう。
『2つ』の事件。それは、最近始まった。──それは確かだ。
しかし、『いつ』始まったのか……誰に訊ねても、答えられる者はなかった。
これを『事件』と呼ぶのを疑問視するものもある。なにせ、いくら捜査しても、犯人の影すらつかめないのである。
誰でもありえて、誰にもありえない──そういう事件が、『2つ』ある。
『1つ』は、そう、『誘拐事件』である。それが頻発している。総じて子供が連れ去られる。ここでの子供というのは、未成年者全般を言う。犯人からの身代金の請求はなく、だから『子供である』というだけで、そこには金持ちも貧乏人も関係ない。姿をくらました子供は、平均して2、3日後に死体となって、発見される……。
もう『1つ』。それは『殺人事件』である。──と言うと、先程の『誘拐事件』改め『誘拐殺人事件』と混同するかもしれないが、それは違う。
この事件で死ぬのは『大人』だ。そして、『誘拐殺人』には〝誘拐〟という共通点のみで、発見された死体の状況はまちまちだったのだが、これの場合は共通して、〝死体から〟、〝下顎が抉りとられている〟。
それが直接の死因の場合もあれば、そうでない場合(むしろその場合の方が多い)もあるが、それが共通して言えた。
『惨殺』──そう言うと大袈裟に思われるかもしれないが、しかしあの死体を実際に目にするだけで、その気持ちはなくなってしまうだろう。
顎を失うと、誰だかよく、わからなくなってしまった。
人間の舌というのは、あそこまで長いものなのか。
──それが、大方の感想である。
……古めかしいアパートの一室。それが彼女の家だった。
「えっと。ここでいいんだよね? いいんなら、送り届けたし、僕は帰りたいんだけど」
「上がっていきなよ」
「やだよ! 寄り道したら暗くなっちゃうじゃん! 誘拐されて殺されたくない」
「泊まっていけば?」
「そ、それはダメだよ……。っていうか、ご両親は? それでいいって言ってるの?」
「いないよ」
ミキは静かに言った。
「親は、いない。一人暮らし」
「……そうなんだ」
うん? ミキは不思議そうな顔をした。「謝ったりしないの? それか事情とか訊ねたり」
慎重に言葉を選んで、「いや……しない」と答えた。
「そういうのって、迷惑だと思うから。……僕もまあ、父親はいないし」
同じに考えるのは無理だし、しちゃいけないけど、なんとなくわかるよ。──そう言った。
「ふうん……」ミキは頷いて、「似た者同士なんだねっ」と嬉しそうに言った。
「『似た者同士』って、いや、だから……そういう話だっけ?」
「そういうことでいいんじゃないかな?」
なんだかわからなくなった少年に、少女は笑いかけた。
「一人だと寂しいので、今日は傍にいてくれると、嬉しい」
「え。そんな話だったの……?」
「彼女が頼んでるんだから、喜んで承諾しないと!」
「いや、僕は告白を受けた記憶も、その告白をOKした記憶もないんだけど」
「じゃあいっそ、既成事実でもつくっちゃえば……」
「なにもしないからね!?」
「山田くん」
突っ込みに疲れたユウキに、ミキは、顔を寄せて、訊いた。
「──わたしのこと、きらい?」
「いや──いや。きらいじゃあないけど……、…………、はあ。わかったよ。泊まってくよ」
ミキはその言葉を聞いて、作った涙を目に溜めたまま、思った。
こいつちょろいな、と。
山田ユウキ。押しに弱い男だった。
†
年頃の男女が1つの部屋にいて何もなかったのかというと、何もなかった。
誘拐されてはたまらないので、朝、明るくなって、人通りが出てきてから、ユウキは家路についた。
部屋を出る際、アパートの住人に目撃され、冷やかされたりしたが、なんかもうどうでもよかった。
「おかえり。朝帰りだ」
「うるさいな。別にそういうのじゃ……、」
母にも冷やかされて、思わず言い返そうとしたが、よく考えたら川上ミキは自分の彼女らしいので、言い訳のしようがなかった。
「──そういうのじゃ、あるけど、でも、違う。そういうのじゃない!!」
「どういうことやねん」
背後から、エセっぽい関西弁の突っ込みが入れられた。男の、聞いたことのない声だ。
振り向くと、やはり見たことのない顔が……いや。
「よお、久しぶり、ユウキ」
親しげな表情、そして声音。どこかで会ったことがあるみたいだが……。
「えーと……どちら様?」
自分の家の中から、当然のように現れたこの少年は、何者なのか。今日から三連休で、自宅でゆっくりと過ごそうという計画が、早くも頓挫しそうな予感があった。
というか、まあ、昨晩ミキの家に泊まった時点で、その計画はほとんど、崩れていたようなものなのだが。
ユウキの問いに、少年は、たははと笑う。
「おいおい。覚えてねーのか? ったく忘れっぽいんだからなあ、ユウキはよ」
……………………え、マジで誰だ? 母に視線を向ける。母は一言「幽☆遊☆白書」と言った。
思い出した。
「ああ、お前、もしかしてユウトか?」
「おお、そうだ。ようやく思い出したかよ」
たはっ、と。伊藤ユウトは快活に笑った。伊藤ユウト。山田ユウキの、幼稚園時代の親友である。小学生に上がってからは、全く顔を合わせていない。つまり軽く10年ぶりの再会となる。
うん。
「いや、覚えてるわけないだろ」
「んなこと言うなよ。オレたち『幽☆遊☆白書』の仲だろうが」
「……恐ろしいな、子供って」
版権的な意味で。
まんまじゃねーか。
「でも、あれ? そういえばユウト。なんでうちにいるんだ?」
会話がナチュラルに進みすぎて忘れかけていたが、それは失念してはいけないところだ。
ユウトは答えた。
「遊びに来たんだ……っつーのはまあ、ついでだ。いやオレ、来年な。こっちに引っ越して来ることになったんだよ。その下調べって感じだな」
たはは。
笑う。
よく笑うなあ、こいつ。
「つーか、昨日は何してたんだよ、ユウキ。2日くれー泊めてもらうつもりで来たんだが、それで昨日の夜、こっちに着いたんだが……お前、いなかったな。どこ行ってたんだよ」
「ぎくっ」
「お? 今『ぎくっ』つったか」
「言ってない。『くぎっ』とは言ったけど」
「なんだそれ」
「いや、『くぎゅ』を噛んだだけ……」
「だから、なんやねん、それ」
突っ込まれた。エセ関西弁で、突っ込まれた。ネタが通じなかったのが、地味にショックだった。
親友との10年の溝は、やはり深いようだ……。
「うん。なんか疲れたから、部屋行って寝る!」
ユウキが勢いでうやむやにして誤魔化そうと、その場をあとにしようとしたところで──
「ああ。ユウキは昨日、女の子の部屋にお泊まりしてたそうよ」
──母がばらした。
「おい。マジかよ……」
「い、いや。何もしてないからね!? 二人きりだったけど……そういうことは、一切なかったからな!? 勘違いしないでね!!」
ホントだよ!! 必死に言うと、ユウトは微妙な顔をして「わかったわかった。お前がヘタレだっつーことは、充分伝わった」と言った。
母も、似たような表情だった。泣いてもいいだろうか。
「……つーか、『二人きり』ってェのがよくわからねえんだが。『女の子の部屋』……そいつ、一人暮らしでもしてんのか」
「……ノーコメント」
「ふーん……」
ユウトはそれきり、詮索することはしなかった。話題を切り換える。
「……そーだな。まあ、久闊を叙するのもこんくらいにして、ゲームでもしようぜ。マリカとか。つえーぞ、オレ」
「ん。そうだな。マリオカートか……でも僕、ゲームはあんまりやらないんだよな」
「おっと。そうなのか? じゃあ、別のにするか」
「……いや。僕は弱いけど、かなりやりこんでるのがいる」
「ん。誰だ、それ」
そいつは、ユウトが『マリカ』の文字を出した瞬間、コキコキと指を鳴らし、首を回し、準備万端だった。
「……母親だ」
「ちなみに……、何を、使うんすか」
ユウトは山田ユウキの母に向けて、質問した。
母は答えた。
「クッパ一択、よ……」
††
「あ。ユウトさんだ」
ようやく起きてきた小5の妹が、敗北感にうちひしがれている伊藤ユウトを見て、そう言った。
「あ。クミ、おはよう」
「お兄ちゃん、帰ってたんだ」
兄への対応は淡白な11歳だった。このやろう。
「っていうか、あれ? ヤンクミ。ユウトのこと知ってるんだ」
「ヤンクミって言わないで……」
いやそうな顔で言う。山田クミ。あだ名は『ヤンクミ』である。どこかで聞いたようなあだ名だ。やはり、子供は怖い。
「いや、当たり前でしょ。昨日会ったし」
「……そういう意味じゃあないんだけど。10年前、だから……うーん、まあ覚えてはいないよな。でもなんかお前、ユウトになついてない?」
「お兄ちゃんより、頼りになりそうだしね」
「このやろう」
「やろうじゃありませーん」
3歳くらいまでは可愛かったのに……、どうしてこんなむかつく感じに育ってしまったのだろう。
「……いやー、参ったぜ。お前のかーちゃん強すぎ。もしかして、クミちゃんも凄かったりするのか?」
立ち直ったユウトが訊ねた。ユウキが答える。
「クミも僕とおんなじで、ゲームはやらないかな。ああいや、チェスとか、あーいうアナログなボードゲームはすごい強いけど。僕は勝ったことない。母は……いや、母も勝ったの見たことないな」
「……そ、そうか」
さて。ユウトは立ち上がった。「じゃあ、ちょっと出かけて来るかな」
「あ、僕もついてくよ」
「いいって」
「よくないよ。最近、本当に物騒なんだから。1人で出歩いたら──死ぬよ」
「んな大袈裟な……」言いかけて、ユウキの目が全く笑っていないことに気づいた。「──つっても、ちょっと近くのコンビニに行くだけだぜ? 大丈夫だって」
「…………絶対、戻れよ」
念を押して、ユウキは伊藤ユウトを送り出した。12月の寒空、ユウトの後ろ姿を見送った。大丈夫。家からコンビニは、1キロもない距離だ。だから大丈夫。──必死でそう、自分に言い聞かせながら。
──そして、2時間が経過した。
ユウトはまだ、戻らない。
言っても、まだ2時間。コンビニで、立ち読みをして潰せる時間の範囲だ。
「それとも、さ」
母は呑気そうにつぶやいた。
「コンビニじゃないのかもね。さっき見たら、ユウキのチャリ、無くなってたんでしょ? もっと遠くに行ったんじゃないかな」
それかこの家出てったのかも。母は意地悪く笑った。
「クーの寝言、随分怖がってたもんねー。『黒魔術でもやってるみたいだ』とか。『なんで寝言で爆笑してんだよ。魔女みてーだっ』『うわ呪文かこれ!? こわいこわいこわいこわいこわい!!』」
「小5をいじめんなよおばさん……」
ユウキはじと目で言う。話題にのぼった小5は、涙目で兄にすがりつき、「クミが悪いの? クミが変だから、ユウトさんはいなくなっちゃったの?」と半泣きだった。
妹を宥めながら、それにしても、と思う。
それにしても、どうして母とユウトは妹の寝言の感想を言い合っていたのだろう。自分のいないあいだ、母と10年前の親友は、どんなやりとりをしていたのだろう──と。
そこまで考えて、そこで思考を止めた。それ以上考えると、悪い予感がした。
わざわざ、藪をつついて蛇を出すようなまねをする必要はない。
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る。ユウトが、帰ってきたのだろうか? ユウキは足早に玄関に行き、ドアを開いた。
「こんにちは……あ、山田くんだ」
そこに立っていたのは、ミキだった。
……家の前に川上ミキがいたこと自体には驚かない。昨日、『自分の住所だけ知られているのは不公平だ』というよくわからない理屈でここの住所を教えさせられていたから──なので問題は、ミキのその表情にあった。
「……どうしたの、川上さん。なんか、浮かない顔してるけど──」
「山田くん。お願い。今日は、山田くんのおうちに泊めてください」
どこか、異様な必死さ──いや。違う。これは、どう見ても、
「川上。どうしてそんなに……怯えているの?」
……ここに来る途中、野次馬が群がっているのを、ミキは見かけた。
何事かと気になって、近づいてみると──
ミキは茫然自失の体で語った。
見つかったその死体。子供の死体。誘拐された未成年者の死体。
ミキが告げた死体の特徴は、ユウトの外見の特徴と、一致した……
PART1,“The Introductory Remarks”closed.
To Be Continued PART2,“DEAD END”…