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プロローグ

100年前


この惑星に魔王が誕生した。


その魔王は今、エルビスから旅立った中年勇者“セツト”によって討ち取られた。


その戦いは激しかった。


勇者と魔王は同じような強さを持ち、相討ちだった。


しかしその中でも魔王は勇者よりも早く倒れた。だが、倒れる前にしたことがあった。


『勇者の体を乗っ取ること』である。


魔王は晩年開発した禁術のの詠唱を始めた。


「勇禁転寛」


その瞬間魔王の魂が浮き上がり、勇者の体に入った。

勇者は反応することもできなかった。


「・・ぐはっ」


勇者は魔王の魂が体に入る時に生じた衝撃波をもろに喰らっていた。


しかしその後、勇者の体は急速に回復していった。魔王と戦った際につけられた致命傷も全てだ。


「・・・どうして」


(ガッハッハ、我じゃ、我の影響でお主は回復したのじゃ)


「その声は・・魔王っ!」


(今から、お前の体を乗っ取るっっっっっ)


「どうした、魔王!そんな醜い声をあげて!」


(い・・いや、何もない!!問題はない!)


「もしかして・・乗っ取れなかったのか・・?」


(いや、それは・・・ないに決まっているだろう!)


「お前は嘘が下手だぁ!残念だったなぁ!魔王!!」


(なんなんだ!!このクソ勇者!!)


「まあ…お前を追い出せる方法を見つけるまでの間は俺の中で暮らしていい。無害だしな!だが、お前を外に追い出した暁にはお前を殺す!即効性の薬みたいになぁ!!」


(っく・・・クソがぁぁぁぁ)


         ◇


勇者(と魔王)は出発の地、ラビリスに戻った。


勇者帰還のパレードを行うためである。


俺はラビリスの中心にある城前に来た。


「勇者だ!!勇者が帰還したぞ!!!」


「おい子供!勇者に憧れたからってそんな嘘を言うんじゃねーよ。ただでさえこんな日に・・」


「俺は子供じゃない!勇者だ!!」


「はいはい、そうですかね・・家に帰りな坊主」


「いや!!違う!俺は勇者・・・・だ?」


周りを見渡した時に俺は門近くにあった噴水に反射した子供がいた。その子供は俺の動きを真似していた。


「なぜ真似をする!!」


「なーに言ってんだ、坊主、お前じゃねーか」


「・・・え?」


「さっさと行った!!シッシッ」


(残念だったなぁぁセツトォォ俺も予想外だったが、俺の魔族向けの回復の魔法がお前の体を若返させたらしいぃぃ!!そのおかげでお前は勇者でもなんともなくなった!さらに勇者は死んでることになっている!周りを見てみろぉ!弔いの雰囲気だ!!)


「っくそ!」


(残念だったなぁぁぁ!)


「そうか、エロ本で気分入れ替えるしかねーのか」


(エロ本・・・聞いたことがある。キスとか・・手を繋いだりするやつだろ)


「いや・・もっと過激なやつだ。お前もしたことあるだろ」


(・・・え?なんだ・・それは)


「ちなみに俺は小説、漫画がある中だったら漫画派だな」


(俺も漫画が好きだ。文字が読めない俺でも楽しめる。お前が言ってるエロ本としての漫画・・エロ漫画がどういうものかは知らないが・・・)


「まあ、行くか!エロ本の時間だ」


俺は本屋に急いだ。


「特別に教えてやる。エロ本はな俺が作ったんだ。魔王、俺は転生者だ。ちなみにこれ初出しだからな」


(転生者・・・聞いたことがある)


「お前が転生者になった時、最初に何を作る?」


(それは臣下だな、そしていずれ世界征服するのだ、まあ実際は便利なものとかだな)


「まあそれが普通だ。だが俺は・・・」


(俺は?)


「エロ本を作った」


(そんな大事な初めてをそんなことに使っていいのかぁ!)


「魔王、お前は勘違いをしている。お前はエロ本をなんだと思っているんだ!!」


(それはその・・不純な・・もの?)


「なんかよそよそしいな。まあその考えは捨てることだ。エロ本はな神だ。エロ神とも呼ぶのだろう」


(エロ神・・・?)


「エロ神はな、お前をも超える存在だ」


(俺を・・超える?)


「青少年の心を乱らせ、成年少年を淫らせ、高齢少年を逝かせる、それほど強いものなんだ」


(それは・・・どこにいる・・?)


「それは・・ここだ!本屋だ!!」


(本屋・・・?)


「そうか、本屋を知らないか。まあ教えてやろう。本屋はな俺が作ったものだ。流石のお前でも本は知っているだろう」


(あぁ、本は文字が書かれているものだろう。まあ我は文字が読めぬが・・・)


「その本が集まったところだ」


(本というと…専門店の中にその店が作った、その分野の専門書が1〜2冊あるだけではないのか・・・?)


「それはあっている。俺が変えるまではそうだった。だから俺は作った。いろんなジャンルの本が集まる場所を」


(そうなのか・・で、エロ神はどこにいるんだ?)


「この本屋の中にいる」


俺は本屋の中に入った。


「ここだ!!」


(ここ・・・は?)


「18禁エリア、いや、エロ神の棲家だ」


(ここが・・ってどこにいるんだ、そのエロ神は?)


「まあ、待ってろ」


俺はそこらのエロ本を取った。


「これは・・・レイラン先生の作品だ!しかも最新作だ!!運命を感じるな!!」


(レイラン?こいつがエロ神か?)


「おい、レイラン“先生”だろ。お前は今俺と一心同体だ。俺はエロにだったら命を捨てられる。お前がエロのことを、エロ本を描いてる神を今度馬鹿にしたら殺すからな」


(すっ・・すまなかった。その・・レイラン先生がエロ神なんだな?)


「あっているが、あっていない。それが答えだ」


(・・・・・・え?)


「レイラン先生だけじゃない。エロ本の作者全てがエロ神なんだ」


(・・っそうか・・・・では…本を読んでくれないか?お前の目から見えるからな)


「ああ・・開くぞ。レイラン先生の最新作…淫らなグッドガールを開くぞ・・・」


(ああ…)


「少年!!ここは18歳未満は立ち入り禁止だよ!!」


「っあ」


(っあ)


俺の目の前にあった本が消えた。


「あっちいった!少年はここにいちゃダメなの!」


その本屋の受付のお姉さんが俺たちを追い出した。


「なんで俺は18禁システムを作っちまったんだ。しょーがないか…家にストックしてるエロ本でも読むか」


そうして俺は自宅に戻った


          ◇


「ここは家だ」


(見たらすぐわかるが、でかいな…俺の魔王城ぐらいあるぞ)


「勇者だ!!帰還した!」


「・・・・イデンシ・・イッチ、モンヲヒラキマス」


(これはなんだ…勇者)


「これはだな、俺の家に侵入者を入れないために考え出した家防御システムだ。まあ、本当はエロ本を守るためだがな」


「ユウシャサマ・・921ニチブリノキタク、オメデトウゴザイマス」


(なあ、勇者・・お前は1人で住んでるのか?)


「いや、執事とメイドが1人ずついる」


(そうか、で、そいつらはどこにいるんだ)


「確か、あっちに部屋があるはずだ」


俺は2人が住んでいる部屋に向かった。


(なあ、そいつらはどんなやつなんだ)


「執事の方はセバスで、あいつは気がきくやつだ。だが覚悟しておけよ、あいつの服装はかなり個性的だ。メイドの方はリィだ。なぜかは知らんが俺を慕ってる。まあ、俺は慕われる覚えはないんだけどな」


(・・なかなか聞き出しがいがありそうだな・・)


「え?なんか言ったか?」


(いやっ!言ってないぞ!!)


「まあいい。ここだ。セバス!リィ!」


ドアが開いた。


「誰じゃ!!主人様が亡くなっても儂はこの屋敷をこの命が尽きるまで守ると決めたのじゃ!!」


「私も!!守る!!!」


「まあ、2人とも落ち着くんだ。俺だ、加穏だ」


(お前、加穏かセツトなのかどっちなんだよ)


「俺は、本当は加穏雪人って名前なんだがな、こっちの世界にきた時、セツトにしたんだ。まあ、2人には言われ慣れてる加穏って呼んでもらってるんだけどな」


「何を言ってるんだ!!」


「やはり・・主人様ではないです!!実に身丈が違う!主人様は・・もっと背が高かった!!あと・・主人様はもう・・」


「お前は誰だ!!リィが守る!加穏様が・・グスっ・・残してくれたものを!!」


「じゃあ、実際、その加穏様というやつが作ったこの屋敷の警備設備はどうして俺を通したんだ」


「た・・確かに、でも・・だったら答えてください!!主人様が好きな食べ物は!!」


「・・エロ本だ」


「・・・主人様・・なんですね・・」


「ああ!セバス」


「・・・加穏様・・加穏様!!」


「セバス、リィ、今の状況を教えてくれ」


「それよりもいうべきことがあるでしょう!主人様!!」


「そうだったな・・、ただいま」


「おかえりなさい!!」


そうして2人は俺に抱きついてきた。


(お前、慕われてるんだな)


「なんかな・・まあ気分は悪くないからな」


そうして、俺たちはひと段落したあとリビングに移動した。


         ◇


「ぐすっ・・加穏様、さっきから誰と話してるの?」


セバスが用意してくれた、エロ本を手に持ちながら話した。


「それは・・まあ、お前たちにはいいか。これから話すことは絶対に他言禁止だ。いいか?」


「「はい」」


「俺の中には魔王がいる」


「・・・というと」


「俺はな、魔王と相打ちになった。その時、俺は先に魔王を討った。だからこそ魔王が先に死ぬ算段だった。そこで問題が発生したんだ。魔王が魂を俺の体に入れやがった。このくそ魔王がな」


(誰がくそ魔王だ!!)


「黙れ、殺すぞ」


(っぐ・・だがなお前は勘違いしてるが俺は着実に力を蓄えてるんだからな。そうすればお前の魂を乗っ取れるぅ!今は辛抱の時なのだ!!)


「そうですか、くそ魔王がぁ!」


「くすっ!わは!!」


「なんで笑っている、リィ」


「だって、加穏様、楽しそうなんだもん!」


「楽し・・そう?」


「そうですぞ、主人様は今楽しそうなのじゃ」


「いや、俺はも楽しかったものはあるぞ!・・エロ本だ!」


「でも、リィ知ってるもん、そのエロ本?を読んでる間しか楽しそうじゃなかったこと!」


「リィの言うとおりじゃ。主人様が楽しんでおられ嬉しいですぞ!」


(よかったなぁ!!俺がいないと寂しいか!よちよちマゾコンめ!!)


「黙れ!!・・・セバス、俺がいない間なんか変わったことでもあったか?」


「あ!ありました!資料を持ってきますぞ」


「さぁ、俺はエロ本でも読むか」


(ついに!エロ神の創造物との対談か!!)


「リィはセバスの手伝いにもいってこい!」


「加穏様!わかりました!」


俺は手に持っている本を見た。


「喜べ!レイラン生成の作品だぞ!さすがセバス、よくわかっている」


(早く開いてくれ!)


「ああ、わかっている、だがまずは表紙からだ。そこに寝ていた女の子・・魔王!よかったな!レイラン先生の作品でも俺が最も好いている作品だ。この表紙はそんなエロくない、普通の女の子が描かれているだけだ。その女の子も貧乳でいいんだけどな・・。まあいい、これを開いてみると・・」


(・・・と?)


「エッロ!!!!!!」


そこには一面に広がるエロ!エロ!エロ!が広がっていた。何回も見た俺でも声が出てしまう。


(っこ・・これがエロ本・・なのか?これは・・っごく・・我を・・・)


「お前はヒンヌー教を知っているか?」


(ヒンヌー教・・・?)


「ヒンヌー教はな貧乳によってできる組織だ」


(貧乳・・・?)


「ヒンヌー教は俺が名付けた分野だ。ちなみにレイラン先生の作品のほとんどがヒンヌー教徒を描いている。だがな魔王、その中でもたった1冊だけ伝説の巨乳が描かれたものがある」


(っごく・・それはなんだ?)


「・・・それが今から読む本だ」


(そしたら早く見せてくれ!)


「・・・お前、エロが好きになったか?」


(突然どうした・・まあ・・エロ漫画に関しては・・・すごかった・・)


「そうか!まだ続くから楽しみにしておけ。さっきまでのページは前章だ。あれは主人公が繰り広げていた妄想に過ぎなかっただろ、これからは本パート突入だ」


(気合いを入れるか)


「ああ、そうした方がいい」


そうして俺たちは一言も話さずに最後まで読みきった。


「なあ・・・はぁはぁ・・・すごかっただろ。特に巨乳と貧乳が入り交じれるシーンは。特に貧乳は」


(ああ・・これを描いたのは俺をも軽く凌駕するほどのエロ神だな、間違いない。俺も貧乳に目覚めてしまいそうだ)


そうして感傷に浸ってる時、ドアが開いた。


「主人様!!大変です!リアス様が!!」


「リアス?!?!」


(そのリアスってやつは誰なんだ?)


「・・・俺の・・勇者パーティーの1人だ・・」


「主人様、今は王立騎士団団長もやっております」


「そうか・・」


(でもお前、俺の元に来る時1人だったじゃないか)


「いや、あれはだな・・あいつがめんどくさかったからだ・・」


(そんな理由でお前は俺の場所に来たのか・・?)


「そんな理由・・?俺が命よりも大事なエロ本をお前のとこに行く旅路で読んでた時、あいつは奪いやがったんだ、“私を見なさいよ”とか言ってな!俺が休日、この町で1番景色がいいところで読んでた時もそうだった!!」


(お前・・そいつが怖いのか?)


「ああ、怖いさ!!だが間違っても俺を殺すためにあいつを使わないことだ。腐っても俺の仲間だからな」


(この俺に暴言吐きまくってるお前が・・か?)


「お前は俺たちの敵だからな、お前を倒すことが俺の悲願でもある。だからこそお前の実体がない魂だけの存在に1番きくのは言葉だからな」


(・・・・・っふ・・そうなのか)


「・・?まあいい、セバス!リアスがどうした!」


「一体どこから情報が漏れたのかはわかりませんがリアス様が、動き始めています!」


「リアスは一体何を始めたと言うんだ!!」


「それが・・主人様を探すべく、町中に王立騎士団を・・」


「セバス・・それマジですか」


「マジですよ・・。しかもあと2日でこの屋敷に軍隊を送ると言っております」


「セバス、それ本当か・・」


「リアス様はこの主人様の屋敷の中に侵入者がいて立てこもっている、と言う噂を流しています。今回の軍隊派遣もこの対応だと思います」


「でも・・この家に侵入者はいないぞ。っていうか入って来れないだろ」


「そうなんです。全て茶番なんです。この派遣の真の意図は、主人様を見つけることでしょう」


「・・そうか、セバス。そうだよな、あいつはそんなやつだったな。俺が普通にしたいって思う時でもあいつはくっついてきたな」


「そうですね・・」


「セバス、なんか懐かしんでないか?」


「ええ、変わらないなと」


「・・・は〜、俺は困ってるんだぞ。まあいい、お前たちには迷惑はかけないから安心しろ」


(お前、久しぶりにいいこと言ったな)


「お前は忘れてるかもしれないが俺は勇者だぞ」


(そうだな!忘れてたよぉぉぉぉ)


「このくそが!!」


「では、主人様、儂はあっちで寝てしまったリィを部屋まで運びますので、主人様はどうされますか?」


「今日は空が暗くなってきてるからな、明日、俺はリアスと会いにいって来る」


「そうですか!その方がいいです。ではリィを運んだらお食事を持ってきますな」


そうしてセバスは行った。


(なあ、リアスってやつはよくわかったが他にパーティーメンバーはいないのか?)


「いる。そいつの名前はなスメイル。パーティーの時は魔法使いをしていた。スメイルは外見だけはいいんだ。貧乳だしな・・」


(じゃあ、なんで好きじゃないんだ?)


「スメイルは見た目はいい。性格は・・終わってる」


(もしかして・・こいつもエロ本を・・)


「ああ、さらにスメイルはタチが悪い。リアスはエロ本を取るだけで旅が終わると返してくれる。だがあいつは破くんだ。ぐっちゃぐっちゃにな」


(・・エロ本を・・か)


「どうして俺の周りにはエロ本嫌いな奴しかいないんだろうな・・まあ、お前は敵同士だが、俺にやっとできたエロ本繋がりの生物だ。俺がお前を体から追い出す手段を見つけるまで付き合ってもらうぞ」


(・・・・・・ああ・・・)


          ◇


昨晩の夕食は思い出話に浸りながら、セバス、リィと一緒に食べた。


「おはよう!魔王よ。よく寝られたか?」


(我は寝る必要がないから眠っていない)


「今日はリアスに会いに行く日か・・・」


(なあ・・・朝のエロ本を読まないか?)


「まあ・・それもいいな。だったら早い!!今日はレイラン先生じゃなくて、別の作者を見てみようか。その名も、ユカ先生だ」


(ユカ先生?)


「貧乳のレイラン、巨乳のユカと言われいてな、その名の通りユカ先生は巨乳を描いたエロ本をメインに描いている」


(そうか・・でもお前は貧乳が好きなんじゃないのか?)


「そう、俺は貧乳が好きだ。だが、適度な巨乳も好きだ」


(どういうことだ?)


「俺の頭の中は貧乳9割、巨乳1割ぐらいで構成されている。それがなぜだかわかるか?俺は貧乳の価値を高めているんだ。世間一般で人気な巨乳を間に挟むことによって貧乳は毎日拝めるものではないと脳を混乱させる、そうすることで貧乳の希少性はぐんと高まる。さらに巨乳を描く作品がよかったらより価値は上がる。わかったか?」


(ああ・・では早速見せてくれ!!その巨乳を!)


「わかった!!コンビニとエッチっていう題名だ。そうそう、お前、文字を覚えろ。俺たちが今読んでるんは漫画だから文字が読めなくても楽しめるがエロ小説は楽しめない。小説も漫画同様、数多くあり、傑作もある。お前は見なくていいのか?」


(そうなのか・・・ではエロのために俺は文字を覚えよう・・)


「それでいい。っていうかお前、どうやって文字を学ぶんだ?」


(それは安心してくれ、我はある程度記憶力を持っている。お前が見せてくれた漫画のセリフとお前が喋っていた言葉をリンクさせて覚える)


「そこまでわかっておいてどうして文字を覚えられていないんだ?」


(それが不必要だと判断したからだ。実際、命令は口頭で言っていたし、書類は全て宰相にさせていた)


「・・・そうか・・まあ、俺は関与しないからな。・・・・読むか!!」


俺は静かに読み始めた。本章を読むときは静かに、それが己のエロ本道の道なのだ。


「エロかったな・・・やはりユカ先生は揺れる描写がよく描けているな!」


(ああ・・画面いっぱいに広がらせるのではなくて遠目に見ている時と近くで見ている時がよく混ぜられていてなかなかいいな)


「ああ・・もう終わってしまったのか・・今日のエロ本は・・」


(今日の・・エロ本?もしかしてぇ!!!)


「ああ・・そうだ。俺は1日1種類のエロ本しか読めないんだ」


(同じ本も・・・・なのか?)


「いや・・同じ本だったら読める。だがそれにはルールがある。読んだ時から3時間経たないと俺は読めない」


(なぜだぁ!!)


「貧乳の・・エロの希少性を高めるためだ・・」


(なんなんだよぉぉ!!このくそ勇者がぁぁ!!)


「俺が決めたことに逆らうな!!!お前は俺に生死を委ねられてることを忘れるな!!だが・・見たい気持ちは分かる・・・朝食だ。セバスが作ってるはずだ・・」


俺は昨晩夕食を食べたリビングへ走った。


「くそっ!エロ本が見てぇぇ!!くそがぁぁ!!!」


(あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)


          ◇


「主人様、リアス様の家にいつ頃向かいます?」


「このうまい飯を食べ終わってからすぐ行く」


「うまいですか!!それは嬉しいですな。ちなみにこのリンゴはリィが剥いたんですよ」


「そうなのか!リィ!」


「うん!加穏様のために頑張った!!」


「ありがとな」


「・・・うん!!」


そうして俺は朝食を食べ終わった。


「行くか・・」


リアスの家までは片道10分と近いところにある。


(なあ、勇者、お前はなんで我を討伐しにきたんだ?エロ漫画がしか脳がないお前が・・?)


「国王からな、俺が行かないとエロ本の流通を止めるって言われたんだ。その時国王を殺してやろうと思ったが・・何よりも俺は勇者だし、人に優しくすることは・・大事だぞ。それをしないやつはクソだ。お前も仲間は大事だろ」


(そうだな・・お前と我は似てるのかもな・・)


「何が・・似てるんだ?」


(我とお前はそれぞれ別のところで期待されて、魔王と勇者をやっていた。似た感じだとは思わないか?お前が魔王に転生して、我が勇者に転生したら今みたいになってただろうな。だけど、我にはなかったものがあった。お前のような“何かを大切に思う心”が。それが我とお前の勝敗に繋がったんだろうな。だが今、我はエロ本を手にしている。お前と同じようにな!)


「・・・そうだな・・」


(ああ!!そうだ!!)


俺たちはその後無言で歩いた。


「・・・ここがリアスの家だ」


(ここが・・・でかいな)


「この匂いは!!!!セツトォ!〜〜?あれ?確かにここから・・!!ちっちゃい頃のセツト!!」


「リアス、うるさいぞ」


「ごめんごめん・・久しぶりのセツトで・・ぐすっ・・生きてるんだよね・・」


「心配かけてごめんな」


「生きててくれて!!ありがとう!」


「そうか・・まず、お前に話したいことがある」


「話したいこと?そういえばセツト、どうして私たちを置いてったのぉかなぁぁ?」


「それは・・ごめんな・・」


「ねぇ!!どうしてなのかなぁぁ??」


「お前が・・エロ本を・・引っ張ってくるからだ」


「それで!!1人で行ったんですか!!このくそセツトが!!」


リアスは俺に抱きついた。


「心配ぃぃ!!したんだからぁ!!」


「ごめんな・・リアス、だけど一旦中に入ろうか・・」


          ◇


泣き止んだリアスが言った。


「セツト、どうしてそんな体になったのか聞いていい?」


「いや・・いえないこともあるってことだ」


「・・・・そう。セツト学校行かない?」


「学校?」


「冒険者学校、騎士学校、魔法学校・・・色々あるけど・・」


「まだ行くっていってないぞ!」


「セツト、帰ってきたばっかりでしょ、どっかの組織に紛れとかないと危ないよ!小さくなったセツトを研究しようとしてるかもしれないし・・まあ・・もう二度とセツトを逃さないためにも・・・ね」


「なんかいったか?」


「いっいや、いってないよ〜」


「そうか・・紛れとくのもいいかもな・・・・学校、行ってみるか・・・・というかリアス、何してんだ!」


「え〜なんか悪いことしちゃった??ただセツトにいい子いい子してただけだったんだけどな・・?」


「それがダメなんだよ!俺はおっさんだぞ!」


「私はセツトだったらなんでもいいけどな・・」


「なんなんだ・・・もう・・」


「セツト、学校行くんでしょ!どこ行くの?」


「どこ行く?」


「そう、さっき言ったけど、冒険者学校とか騎士学校とか色々あるよ!」


「俺は・・・冒険者学校に行こっかな。勇者としてのノウハウもあるし、楽に過ごせそうだ」


「冒険者学校・・・・ね!・・ニヤ」


「なんで笑ってんだ・・?!」


「・・いや、なんでもない!!」


「そしたらもうすぐ入学試験だし、申し込みした方がいいよ!」


「もうそんな時期なのか?!」


「そうだよ!セツトが私たちを置いていって3年、あの時は冬だったけど今は冬になっているよ!」


「そうか・・もう丸3年か・・時は早いな・・」


「そうだよ・・旅が始まった時は私は5歳だったもんね・・時は早いな、あれから19年か・・」


「じゃあ・・またな・・」


「え!もう行くの!?逃げんなよぉ!!セツト!!・・バイバイ!!」


         ◇


「おい!おい!何してんだ!お前だよ!魔王!!」


(・・・どうしたんだ・・)


「珍しくお前が静かになったなと思ったからな・・なんかしてたのか?」


(我は今、文字を読めるように学んでいたところだ・・あとまあ・・・リアスというやつにはバレたくなかったのでな・・)


「なんでだ?」


(お前のパーティーメンバーは有名だ。リアスというやつも例外ではない。冷酷であり、強力に強いといわれていた。だから我の存在がバレた時、お前もろとも殺されるかもしれないと思ったんだ。それは双方損だろ?)


「そうかもな・・もうこれ以上お前の存在を隠さず言いふらすのはやめた方がいいかもな」


(それがいい・・)


「じゃあ帰るか・・エロ本を読める時間になったからな・・」

2週間に1話のペースで投稿します。(他連載と並行するため)


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