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日常生活が送れているからと、健康診断の結果を軽く受け止めた結果……。

作者: 幻邏

一部の描写に、ショックを受ける方もいるかもしれません。

デリケートな方、想像力が強い方は、お気をつけください。


 どうも、ぼんじゅーる!

 健康ラインの最底辺を這っている――すなわち健康な物体げんらです!(◍´ᯅ`◍)

 今回は、健康であるワシのことではなく、別の方のお話。

 なので、自分の事のようにかるーく・ゆるーい感じで書いているものではないです。



 とある人が、健康診断で『高血圧』と出ていました。

 検査をして、病院で血圧を下げるお薬をもらって、生活をすることに。


 しかしやがて、仕事が忙しくなり、それを理由に通院のための出勤調整をせず、病院に行くことをしなくなりました。

 当然、お薬も無くなり、飲まなくなりました。


 血圧が高いと、塩分やお酒など控えた方がいいと健康指導も入りますが、全く気にせず、お昼はラーメン、夜は晩酌。


 けれど、特に不都合なく、日常生活が送れています。

 ご飯はお店に入った方が、すぐ温かい美味しいものが出てくるし、自分でバランスの良いご飯を作る事もしません。

 ラーメン大好き。濃い味で塩分もりもり!


 高血圧なんだから、と会社の人に注意を受けても、日常生活が送れているので、本人は「大丈夫、大丈夫」と言い続けました。



 ある日の仕事。2人体制で動いていた日、お昼ご飯を食べるために、ラーメン屋へ。

 家系コテコテラーメンをオーダー。


 さて、いただきます!



――ポチャン



 ラーメンの中に、メガネが落ちました。


 相方が「何やってんだよ、早く拾えよw」と声を掛けても、微動だにしません。


 顔色が土気色にかわり、紫色になり、左側だけ顔の筋肉がゆるくなり、垂れ下がります。

 そこからは、全ての力が抜け落ちて、倒れてしまいました。呼びかけても反応がありません。


 救急車を呼ぶも、午後の仕事が控えています。

 会社内の用事ではなく、客――相手がいる用事です。中止になんてできません。

 倒れた人を救急隊員におまかせし、相方は午後の仕事に出ました。

 相方は会社に報告だけして、残りの処理は社内の人に任せます。



 病院に運ばれて、すぐ入院。

 検査の結果、『脳溢血』でした。

 脳内の血管が破れて、脳内に血が溢れる状態。


 脳にダメージがあり、後遺症が起きやすいと言われています。

 そして、なんとか命はあるものの、意識が戻らずの状態。


 その人が所属する会社では、仕事の調整をして、予定を組み直したりと、ドタバタしていました。


 

 なんとか命は助かったものの、半身が麻痺が残り、うまく喋ることもできず。

 転院して、面会はほぼ謝絶状態。

 現在は、後見人立会いのもとでないと、面会もできない状態が続いています。

 もう、仕事に復帰も出来ないでしょう。



 なにより、周りの注意を聞かずに、病院へ行かず、薬を飲まず、高血圧の状態に良いとはいえない食べ物を摂り続けていた、自己管理の不十分さもあったことで、「不運だったね」というよりは「自業自得だろう」という目が、少なからず発生していました。


 きちんと本人が病院に行く意識を持っていれば、この日は休みたいと伝えて、調整してもらうことは可能だったはずです。

 現に、なにかしらトラブル発生時は、資格持ちで動ける事務員がいました。

 たまに穴埋めで、その仕事を手伝っていたりしているので、全く時間が取れない働き方などではなかったはずです。



 日常生活が送れているから、甘く見たのでしょう。

 あとは、年齢的にそこそこの無茶をしても、翌日や翌々日への響き方が少ないくらいには、体力があったのだと思います。

 まさか本人もこんな事態になるなんて、思っていなかったはずです。



 濃い味のご飯おいしー!(◍´ᯅ`◍)

 仕事終わりに飲むお酒……たまりません!٩(ˊᗜˋ*)و


 医者から止められていても、食べる事は出来ます、飲む事だってできます。

 己の意思次第で、どうにでもなりますからね。



 自己管理を怠り、フリーダムに己を甘やかした結果、己の体から自由が消えてしまいました。 

 周りのみんなの心配の声を、しっかり受け止めていたら……。

 きちんと病院へ行き、薬を飲んでいれば……。


――後悔したところで、もう遅い。



 仕事が忙しいからと、自分がすべてを背負うつもりで、病院へ行くこともなく、病院のために日にち調整を申し出る事もなく。

 張り切っていたけれど、そんな彼がいなくとも、現に仕事は回っています。


 彼が背負わずとも、調整なんていくらでもできるのです。

 他の人にも、できる仕事はたくさんあります。

 自分の代わりがいないから……と思い込んで、自己犠牲のつもりで、無理無茶を突っ走る必要はありません。

 誰もそんな事、求めていないのです。



 この方以外にも、別の会社の人ですが、無茶な働き方をした人がいました。

 健康診断の結果、よくない数値が出ており、注意を受けるも、働き方を見直す事なく、同じように働き……翌年の健康診断で、「死ぬよ」って言われて、入院する羽目に。

 その人も自分が仕事を回している自負があり、さまざまな無茶をした人ですが、入院しました。

 いなくなったけれど、仕事は回ります。



 職場での自分の代わりはどうとでもなるし、その人がいないけれど、どうにかしなきゃいけないという状況になれば、勝手になんとかするんです。

 けど、自分にとっての自分は、誰も代わりがいません。


 失った健康を取り戻すのには、限度があります。

 失って気づくこともあるかもしれません。しかし、そうなってから後悔しても、戻ることなんて出来ない時もあります。


 健康診断で出たよろしくない結果を、日常生活が送れているからと、軽くとらえて油断してしまうと、こんな事態を招く事もあります。



 未来の自分が健やかに過ごせるよう、今の自分をしっかり大事にしてください。

夏の暑さで、疲れ・ダメージが溜まっていると思います。

なんとも無いって思っている人でも、決して無理をせず、少しだけ自分を甘やかすつもりで、大事にしてください。

ダメージを実感している方、自分の力でどうにも出来ないと感じたら病院へ行って、しっかり休息を取ってください。

みなさまが健やかに過ごせますように。

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