表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日の風に・中世心火編  作者: 風城国子智
第二章 虚の見る夢
30/60

2-10

 今夜も、叫んで飛び起きる。


 夢に出て来たのは、エフェス。


「お前が居るから、私は認められないんだ!」


 そう言いながら禎理ていりの首を絞めるエフェスを、何とか振り払った所で目が覚めたのだ。


 ベッドの上に座り直し、腕を組んで息を吐く。エフェスの怒りは、分かるつもりだ。禎理という、低身分の、しかも正規の大学教育を受けていない人間が、嶺家れいか文字という古代の難しい魔法文字を解いているのだから。大学教育を受け、教授資格を取って助手の職に就いているエフェスから見れば、禎理は歯がゆい存在だろう。それでも。


「夢にまで出て来ることはないじゃないか」


 思わず、呟く。どうせ首を絞められ殺されるのなら、兄か珮理はいりに殺された方が、まだ、マシだ。




 虚ろな気分のまま、調査現場へ向かう。


「おはようございます」


 先に挨拶して来たエフェスは、普段通り、青白い顔をしていた。


 そのエフェスに会釈して、昨日清書した羊皮紙の下書き分を手に、脚立に昇る。昨日付けた赤チョークの印が消えているのを気にせず、禎理は昨日何処まで解読したか思い出そうとした。だが。


〈あれ?〉


 声が出そうになるのを、何とか押し止める。手にした羊皮紙の内容と、壁に書かれた内容が、全く違っているのだ。


 羊皮紙が、改竄された? 思わず、背後のエフェスを見る。しかしすぐに、禎理は視線を壁に戻した。清書分があるのだから、羊皮紙の改竄は自分の罪を白日の下に晒すだけだ。そんなことは、プライドの高い人間はしないだろう。と、すると。もう一度、壁の文字をまじまじと見詰める。嶺家文字は、魔法の文字、だ。壁に書かれていても、勝手に変化する可能性は、無きにしもあらず。とにかく、金衡かねひら教授の手元に有る羊皮紙と比較すれば済む話だ。禎理はそう考え、心を落ち着かせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ