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「五嶋純子の一変する生活、進路の決断」

そして、三月次男一、高校卒業四月次男就職し、純子は、中二に進級した。

また長男勇は、六月結婚を予定していた。少しずつ少しずつ生活も変化していき純子の不安は、どんどん膨れ上がる。次男は、珠算の師範取得し教室が開けれるくらいの腕を持っていた。

そして、不安と共に兄姉たちへの妬みも大きくなっていくのであるが純子自身は、全くそれには気づかない。


 部活は、陸上に入り練習し地区大会・全国大会を目指して毎日部活に励んでいた純子。先輩からも後輩からも憧れの的だと噂まで流れていた。


六月兄は、結婚新婚旅行の後、一緒に生活することになるのである。光恵からみて、純子小姑になる。家族構成も変化し、生活も一変していく環境になかなか慣れないことに、悩みを抱えながら刻々と日々生活が流れていった。


そして、中学三年生になろうとしていた三月、母がまた倒れ1カ月入院。

退院を目前に急変する母。そのまま帰らぬ人となる。



通夜、葬式を終える。三年生になる。心は落ち着かないままである。

部活も七月までの活動で引継ぎすることになる。そして、進路の問題が発生する。


進学、就職、家事手伝いの3択である。兄姉は、高校へ進学している、私も行きたい行くつもりでいるのが、本心だ。しかし、金銭的にも、そして、何より両親を亡くしていることにより頼ることができないと感じている純子である。クラスでは就職、進学半分に分かれていた。


進路相談や進路説明会など何度も行われその度に心は、虚しくなり悲しくなり、不安が揺れ動く時間を重ねていくのである。二者懇談をすることになり当日、


担任「五嶋、どうする予定だ、希望高は、あるのか?」

純子うつむいたまま、何も言えない。

担任「定時制もあるぞ、考えておきなさいね」

純子「わかりました」

七月初旬の夏服が、ちょうどいい気温のある日のことだった。



ガラガラ ゴトゴト

と、教室から出た純子、次のクラスメイトが、交代で入室した。


夏休みに入り純子は、図書館へ通い問題集やワークテスト問題などを見直し、間違えた問題を繰り返し行った。学校へも行き、分からないところは聞きに行き自分なりに進学へ向けて行動を促していった。


月日は流れた。十月。

就職の求人案内が、学校へ届く。就職を希望する生徒は、昼休みなどを使い仕事内容、待遇など、情報収集していた。純子のクラスは、就職半分、進学半分である。


ほぼ生徒の進路が決まっていく中、決断できず迷う理由に、"誰も相談、応援してもらえる人が近くにいないの自分には"という思いが湧き上がっているために、決められずにいた。


進路指導の先生に相談することになった。ある日、職員室の応接室へ向かう。


純子「先生、どうしたら、いいですか」

先生「何に迷っている」

純子「進学したいが学費も相談できる家族も、応援してくれる家族も誰もいません、だから、分からない。家を出たい。」

と、心を打ち明けた。

先生「じゃ、就職するか」

純子「そうします」


ほんの数分の時間だったが、究極の決断したことにより肩の荷がおりた純子だった。その後純子は、就職希望者の仲間たちと情報収集に時間を注いだ。

履歴書の作成、面接、自己紹介、練習、指導が、毎週行われた。十二月進学願書提出や書類提出が始まった。授業もどんどん進む。就職を決めた純子は、なんとなく、授業に集中が出来ていなかった。



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