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天の踊り子  作者: 天野秀作
5/14

ウズメとサルタ 其の④

 サルタの重い口がようやく開こうとしたその時であった。

「それは私の口から直接話そう」

 突然二人の背後から声が聞こえた。

「お、オシホ殿! いつのまに!」

「あらオシホちゃ~ん、随分お久ね。まあ相変わらず良い男!」


   3 

 このオシホと呼ばれる男、身の丈はサルタにこそ及ばないが六尺(1メートル80センチ強)はある。髪はみずらに結い、その衣服は、いわゆる古代の衣褲(きぬはかま)姿で衣と褲の上下を黒い帯で固定。動き易さを優先しているのであろう。手首と足首をきゅっと細紐で絞ってある。そして片手で扱える細身の剣を帯刀していた。

 年齢不詳だが一見その、上品で端正な顔立ちと清潔な服装、すらりとしたその身の丈からいかにもな優男に見える。

 しかしその動きからかなりの手練れであろうと思われる。猛者であるサルタも、探知力に秀でたウズメの耳をもってしても、その気配すら感じられなかった――オシホ、その名称を天忍穂耳命アメノオシホミミノミコト、母は天照大御神、父は素戔嗚尊スサノオノミコト。ウズメとサルタにとっては直属の上司である。


「オシホ殿なぜここに?」

「お前たち無事であったか」

「ぜーんぜん大丈夫よぉ。あたしらがこんな奴らにやられるわけないじゃない」

「そうか。ならば良い。少し前からこの者共の動きを見張っておったのだ」


                         続く

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