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第3話 引いたぜ、戦乙女!

 ガチャリ。と頭の中で音がした。次の瞬間、脳裏に浮かぶ無数のカード達。


 シャッフルが始まる。そして一枚のカードが中心に示され、眩しい程に光輝く。輝きはどんどん増していき、周囲に子供の天使達が集まる。


 この演出は、前回はなかったぞ......! もしかして!


 バン! カードが表になり、天使達がファンファーレを鳴らす。


「きたぁぁぁぁー!」


 俺は目を閉じたまま叫んだ。母上と姉上がキャーと喜び合う声がする。



(前世【★★★★★戦乙女ルキア】をカードリストに登録しました)


  ★★★★★戦乙女ルキア

 属性 光

 性別 女

 変身コスト 100MP

 レベル88

 スキル ⚫︎飛行⚫︎高速移動⚫︎超反射神経⚫︎次元斬⚫︎瞬間移動

 ⚫︎魂の契約⚫︎第七神魔術⚫︎無詠唱魔術

 変身維持時間 3分

【コンボ効果】デッキ内が★、★★、★★★、★★★★、★★★★★で構成されており、なおかつそれらが光属性である場合、戦乙女ルキアはエクストラスキル「不死」を使用可能になる。

【変身効果】戦乙女ルキアに変身時、周囲の者全員を10秒間「恍惚」状態にする。

【属性効果】デッキ内「光」カードのレベルを5アップ


 すげぇぇぇ! めちゃくちゃつぇぇッ! そして強さだけじゃない。ルキアは美しさも完璧だった。


 流れるような金色の長い髪。切長の目に、青く澄んだ瞳。白くきめ細やかな肌。そして女性らしい肉体美。鎧を身に纏っているが、それでも体のラインはわかる。何故か胸だけは鎧ではなく布地で、大きな胸の深い谷間が見えていた。


 カードに描かれた絵なのに、肌の質感までわかるのは不思議だったが、とにかくはっきりと伝わってきた。彼女は美しい。


 そして、俺の前世の一人なんだ。俺がかつてはこんな美女だったって事は信じ難いが、前世ガチャで出現した以上は間違いない。そして首飾りも本物の遺物だったって事だ。


 目を開く。すると母上と姉上がワクワク顔で俺を覗き込んでいた。


「引いたのね、アッ君!」


「うん。引いたよ。間違いなく★★★★★戦乙女ルキアだ」


 キャーと叫びながらお互いの両手を合わせ、それから俺をぎゅっと抱きしめる二人。うわ、両側からおっぱいに挟まれる......!


「早速変身してみたらどうだ、アシャ」


「ああ。やってみる。ただ、三分間しか変身出来ないけどね」


「あらまぁ。随分と短いのね」


「うん。だから強敵が出た時の切り札的な感じだね。これで俺も、パーティーの戦力になれる」


 もう、役立たずとは言わせない。声には出さず、そう思った。


「それじゃ、ちょっと変身してみるね」


「ええ、セイラと見守ってるわ」


「楽しみだな」


 二人は目をキラキラさせている。俺は深呼吸して変身の掛け声を叫ぶ。


「変身!戦乙女ルキア!」


 パァァァーッと体が光輝く。そして光が収まった時、俺の体はルキアになっていた。


「す、すごいわ......」


「なんと、神々しい......!」


 二人はひざまずき、手を合わせて俺を見上げた。


「ルキア様......!」


 なんと感動のあまり涙まで流している。


「ちょっと二人ともかしこまりすぎだって! 俺だよ俺、アシャカティ!」


「ああ......! そうよね......! それはわかってるんだけど、あまりの美しさと神々しさに目が眩んでしまって」


「ああ......! いつまでも見ていたい。ルキア様......!」


 二人はすっかりルキアの美しさの虜になっている。どうしようかな。このまま二人に拝ませているだけだと力の程がわからないし、ちょっとその辺を飛んでこよう。どれだけ早く飛べるか、ゴキブリと比較だ。


「ちょっとその辺飛んでくる!」


 俺は有無を言わさず瞬間移動し、家の外へ。そこから思いっきり空を飛んでみた。


「ヒャッホー!!!! 気持ちいいいいーッ!」


 すごいスピードで景色が流れて行く。ゴキブリの時とは比べものにならない程の爽快感。下を見ると、街の人々が俺を見上げて指を差している。手を振っている人もいた。もしかしたら俺が伝説の英雄、戦乙女ルキアだと気づいているのかもしれない


 俺は人々に手を振りかえし、変身時間いっぱいまで空中飛行を楽しんだ。




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