パーティ結成
耳にかかるぐらいの真っ直ぐな金髪で、薄緑色の目をしている、俺と同い年ぐらいに見える少年がいた。パーティに参加したいという。
実は、(自分にパーティなんて組めるのか)などと思っていたので、かなり嬉しい。
「ありがとうございます! よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。冒険者のルールがほとんどわからなかったので、とてもありがたいです」
まずは自己紹介から。
「えっと、俺……僕はルイスって言います。職業はアサシンって言うんですけど、他に同じ職業の人がいないので……説明しにくいですね。とにかくよろしくお願いします」
「僕はユリウスです。職業はケンカクなんですけど、ルイスさんと同じで同じ職業の人がいないので、詳しいことは全く……。一応刀での訓練を積んでるので、ある程度は戦えます」
刀。王国東南地方で使われている武器だと聞いたことがある。長さは様々だが、剣と違って薄く、片刃で少し反りがあるらしい。おそらく腰につけているものだろう。
そういえば、どうもこのパーティ、堅苦しい感じがする。
あっ、そうか。
どちらも丁寧な話し方をしていたからだろうと気づく。堅苦しいのはとても苦手なのだ。
「早速提案なんですけど……」
「何でしょうか」
「お互い丁寧な話し方やめてみませんか?さっきは初対面だったけれど、今は同じパーティですから」
「そうですね。じゃ……よろしくね、ルイス」
「こちらこそ、ユリウス」
「あと、僕のことユーリつまて読んでくれると嬉しいな」
「オッケー、じゃ、ユーリ、ユーリはご飯食べた?まだなら早速一緒に食べようよ」
「まだ食べてないよ」
そう言いながらユーリは俺の隣に座る。
「誰かとご飯一緒に食べるって結構久しぶりだ……」
そう言いながらにっこり笑い、ユーリはご飯を食べ始めた。
食べながら、いろいろな話をした。冒険者になった理由、どれくらい魔物を狩ったか、スキルのこと、故郷のこと、家族のこと……。ユーリとはかなり気が合い、初めて会ったばかりなのにとても話をしてしまった。
話すこともだいぶ少なくなり、会話も途切れがちになってきたので、今夜は寝ることにした。宿は2人で相部屋にした。別に男女でもないし、宿代が相部屋の方が少し安かったのでよかっただろう。ユーリは疲れていたのかすぐ寝てしまい、俺も気がついたら寝ていた。
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翌朝、目が覚めるとユーリはもう起きていた。けれど、完全には目覚めていないようだ。まだ目をこすっている。
「あ、ルイス起きたんだね。おはよう」
「おはよう」
朝の支度をしながら、今日の予定について話すことにする。
「魔物狩りをしに森に行って、スキルの見せ合いとかをしようと思うんだけど、どう?」
「いいね、そうしよう。ルイスのスキル知りたかったから」
「じゃ、決まり。魔物狩りをしに森に行こう」
今日の予定が決まったので、早速朝食をとりにいく。食堂に着くと、ザックさんと、そのパーティ仲間らしい人たちがいた。
「お久しぶりです、ザックさん」
「お久しぶりっつっても1日会ってないだけじゃねえか。お、パーティできたんか。よかったな」
「ええ、おかげさまで。これからどこか依頼でも行くんですか?えらく朝が早い」
「別の街に行くんだよ。俺らはあちこち旅して回ってんだ。ま、また会えるだろうけどな」
「そうですか。気をつけていってらっしゃい」
「おうよ」
そう言ったあと、ザックさんが近づいてきた。ヒソヒソ声で話しかけてくる。
「……お前、武器が合ってない気がするぞ。選んだのは俺だけど、別の武器にすることも考えとけよ。最悪命を無くす」
「はい?」
「武器がお前の職業にあってないんだよ。魔法使いが剣持ってもうまく戦えない、剣士が魔法の杖持ったところで使い道がないってのと似てるな。自分に合う武器を探した方がいいぞ」
そう言い残してザックさんたちは組合を出ていった。
「ありがとうございましたー!」
と後ろ姿に声をかけてから、急いでユーリのところへ行く。もう食べ始めていた。
「ごめん、遅くなった」
「気にしてないよモグモグ。とにかく食べなよ、腹減ってるでしょ?」
「はーい」
朝ごはんを食べ終わると、早速外に出た。ユーリに案内したいところ、武器屋や肉屋などを回りながら門へ向かう。ユーリの目が、武器屋の前で輝いていた気がした。
「帰ってきたら、ちょっと武器屋に寄ろうと思う。新しいものを探したいから」
「うん、いいよ。僕も武器屋で色々見たいし」
そんなこんなで門を出て、森の中に入っていく。魔物が出やすくなるので少し気を引き締める。
しばらく話しながら歩く。すると、前の方にオークを見つけた。オークは、動きは鈍いものの体力は高めの魔物だ。
「俺からでいい?」
「もちろん」
ということで、俺のスキルを見せることにする。
「……『隙』発見からの『首刈り』」
と呟き、一気に走り込んでいく。物音に気づいたオークがこちらを振り向いた瞬間に、首に鋭い一撃を入れた。
「これが俺のスキルの基本。相手の急所、相手の攻撃、相手の隙がわかり、隙を攻撃をして殺すときだけ攻撃の速度が上がるらしい」
「お、おう……。最後の一振り、腕が瞬間移動したようにしか見えなかったけど、あれが『攻撃速度の上昇』でいいのかな?」
「うん。首刈りって呼んでる」
「首刈り、か。すごいもの見た気がする」
そう言ってもらえると少し嬉しい。
「オーク、もう一体いるみたいだけど僕やってもいい?」
「いいよ、もちろん」
ユーリ、職業「ケンカク」のスキルを見ることができるみたいだ。
「よし、じゃあ……『鶴の一声』」




