ヴァンパイア・ダブルナイフ
「このナイフ、今の吸血鬼たちの存在に大きく関わってくるの」
ネルが話し始める。
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その昔、魔王が現れたってことは知っているよね。で、その魔王は初代剣聖によって倒された。
でも、それより前にも魔王は一度現れていたのよ。剣聖によって倒された魔王を現在の魔王とするんだったら、先代の魔王がいたっていうことね。その魔王に関係する話でもあるの。一応この魔王のことを、初代魔王って呼ぶね。
初代魔王は、とてもずる賢かったの。剣聖に倒された魔王は、力で全てを捻じ伏せていったけど、初代魔王は、魔物を増やして間接的に世界を支配下に置き、その後改めて世界征服にかかろうとしたの。その過程で、沢山の魔物が生まれた。吸血鬼もそのうちの一つよ。
初めて生み出された吸血鬼は、魔王から生まれたにも関わらず、とても人間と仲が良かったらしいの。そして、魔王の作った魔物が世界中に散らばり始めたときに、それを止めようと思ったの。でも、自分は魔王に逆らうと死んでしまう呪いがかけられてたから、自分の魂を2分割して、半分を次の世代の吸血鬼を作るエネルギーとし、もう半分を二振りのナイフに込めたわけ。そのナイフが、今ルイス君が持っているナイフなんだよ。
そして、そのナイフを人間に手渡し、そのナイフで魔王を殺させたの。そして、初代吸血鬼は消えていったわ。
私たち吸血鬼にとって、初代吸血鬼は神にも等しい存在なの。その魂を受け継いでいる我々だけど、それよりも多く魂を受け継いでいるナイフはいわば「神様の息子か娘」みたいな存在で、私たちが敬うべき物なのよ。
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ネルの話が終わった。初代吸血鬼が命を削って作り出したナイフだから、今の吸血鬼は必ず敬うという感じか。
「なるほど、よく分かったよ」
「で、使いこなせる人っていうのは初代吸血鬼に選ばれた魂の人だけだから、その人は天使みたいな存在なの」
「だから、俺について行きたいっていうわけね」
「うん」
「まあついて来たいのならついて来ても良いよ」
「分かった! ありがとう!」
ネルが俺についてくることが決まった。
「早速だけど……そのナイフができることについて、言い伝えられていることだけだけど、教えてあげる」
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