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ニジ色の世界へ行こう タワマンから飛び降りて

作者: ノア・横浜

 多くの親は子供の教育と、虚飾に満ちた現実の世界とのギャップに苦悶している。その証拠が、なくならない子供虐待、家庭内暴力、家族崩壊、三組に一件という離婚といえるかもしれない。

 2020年4月の新型コロナウイルスと非常事態宣言はこの世、今の体制の価値観のむなしさをあらわにした。「もう元には戻れない。元に戻ることは自死、自滅の道になる」。子供心を読み取った、両親は、未来の危険を察知し、タワマン脱出を計画し、幼い長女と長男に、ニジ色の世界から生活転換を呼び掛けた。 

ニジ色の世界へ行こう  タワマンから宇宙自然を求めて地上に降下

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



夕食がおわりました。

「パパ、ママ、ごちそうさま」とおねえちゃんとボク。

月ようびの夕しょくのあとは、いつもあたらしい何かがはじまる。

「こんしゅうは」とパパ。

「こんしゅうは何?」とボク。

「色について考えてみようね」とパパは白い、おりがみをテーブルにおいて「赤色になれ」といった。

「…あれ赤色にならないね。どうしたらいいだろうか」とパパ。

「なるわけないよね」とおねえちゃん。

「赤のクレヨンで色をぬれば」とボク。

「それじゃ、赤のクレヨンで赤という字をかいておけば赤になったね」とパパ。そこでママが赤の字をおしえてくれた。

ボクは赤とかいた。


 今日は火ようび。夕しょくがおわると、白い、おりがみに「だいだいになれと」パパ。

「なるわけないよね」とおねえちゃん。

「だいだい色のクレヨンで、だいだいとかけばいいね」とボク。

ママが「こうかくのよ」と字をおしえてくれた。ボクは橙とかいた。


今日は水ようび。夕しょくがおわると、白い、おりがみに「き色になれと」パパ。

「なるわけないよね」とおねえちゃん。

「き色のクレヨンで、きとかけばいいね」とボク。

ママが「こうかくのよ」と字をおしえてくれた。ボクは黄とかいた。


今日は木ようび。夕しょくがおわると、白い、おりがみに「みどり色になれ」とパパ。

「なるわけないよね」とおねえちゃん。

「みどり色のクレヨンで、みどりとかけばいいね」とボク。

ママが「こうかくのよ」と字をおしえてくれた。ボクは緑とかいた。


同じように、 

金ようびは、青とかいた。

土ようびは、藍とかいた。

日ようびは、紫とかいた。


「今こんしゅうは」とパパ。「色についてつづきを考えてみようね」と白い、おりがみをテーブルにおいて「赤色になれ」とパパ。

「…ごらん、だんだんと赤色になっているね…。どうなっているんだろうか」とパパ。

「どうなっているの」とおねえちゃん。

「パパどうすれば、そうなるの」とボク。

「何もないのに色がみえてきたことがあるでしょう」とママがニッコリする。


ボクはおねえちゃんの、かおをみた。おねえちゃんは人さしゆびを、うえにうごかしているママをみて、そこに赤色のライトがあった。

「わかった」とおねえちゃんが声をあげた「ニジ。七色のニジ」。

「よーくわかったね」とパパがほめる。

ボクもわかった。「でもね」とパパ。「ニジの色のかずは国によってちがうんだよ。だれかがいうから、そのようにみてしまう。


7、6、5、4、3、2。みんながいうと、その色のすうでみるようになってしまう。つぎにニジをみたとき、どのようにみえるか、かぞえてみようね」

「よし、そうしようね」とボク。おねえちゃんも「おもしろい」といった。

「イギリスという国に」とママ「そのように、ものをよくみる人でニュートンという人がいたの。光はある理由で七つの色に分けられることを人におしえたのよ。その人のはたらきで、人びとは助かったことが、いろいろあるのよ。今の人にもね」


「ニュートンはね」とパパ。「生まれたときにはお父さんが死んでおり、体も弱く、しあわせでなかったけれど、勉強して人にやくだつことをいろいろのこしてくれたんだよ。だから、白い、かみが赤くなった。どうしたらそのようになるか、今しゅうは、考えてみることにしよう」

「マジック?」とおねえちゃん。

「それもありえるけれど」とパパ「人をだまさないで役だつことを考えるように」

「わかった」とおねえちゃん。「人がよろこぶことね」とボク。

「そうだ、パパもね、人にウソをつくことをやめた…」。

「実はね」とママがいう。「このマンションで正しくないことがわかったのよ。だから、ここを出ていくことにしたの」。

「ええ」とどうじにボクとおねえちゃんもこえをだした。


「ウソをつかないように。正直な人になりなさいといってきたよね」とパパ「だからパパは、しごとをかわる。イヤかもしれないが、べつのところに引っこすことになるから」とパパはママとおねえちゃんとボクを抱きかかえこんだ。

「しってる」とおねえちゃんがボクの耳もとでいった。「データーぎそうとかいうことでしょう。学校でだれかがいっていた」。

「ウソはイヤだ」とボクはいった。


「そうよ」とママ「ニュートンは重いものはかならずおちることをおしえてくれた。あるべきところ、行くべきところにみんなで行くのよ」

「さあ、手をつなごう」とパパがおねえちゃんとボクの手を取った。ママも僕とおねえちゃんの手をとった。

そういえば、スカイ・ダイビングで地上におりていく人が手をつないだワッカをボクはみたことがある。

「さあ、どこに、おりると思う」とパパがいった。

「ボクのだいすきなばしょ?」


「そうだよ」とパパ「きれいなくうき、とうめいなかわ、牧じょうの地上におりて、ひつじにあいさつする」

「わかった」とボクはチョウチョやトンボや虫がとんでいる野はらを歩いた。そして虹が大空にみえる大きな家にむかっていく。

おじいちゃん、おばあちゃんがいる、動物もすきだ。

「そこにおりるのよ」とママがいった。


「バンザイ。こんちゅうはかせとニュートンになる。あのはちみつがたべられる」。手をはなして両手をあげたボクをみて、おねえちゃんも、パパもママも、両手を上げて、わらった。

そういえば、パパが、なぜニジがみえるようになったのか、その物語をよんでくれた日の〝パパの声〟がきこえてきた。


「人間がわるくなって神はすべての人をほろぼす。でも、正直なノアとその家族の八人はハコブネをつくって、動物らとそこににげる。天からおおみずがおちてくる。大こうずいで、地上のものはきえさる」とパパの昔ばなし。

ボクは言った。「新しい世界が広がっていく…」


2020年4月、そうり大臣が新型コロナウイルス感せんで「ひじょうじたいせんげん」を日本全国にだした。

ボクとおねえちゃんは、都会のともだちがどうしているか、テレビをみながらしんぱいした。

きれいな空気ととれたての野さいとミルクとチーズをかんしゃしていただいた。


(終わりのない終わり)


 この家族の「あしたの命」はどうなるか。

汚染のない空気と水と食料、家とよく肥えた土地と動物と自然があれば、ポツンと一軒家でも、一致した家族生活、純真な同様の家族が近くにいれば、なお人生は豊かである。

 今の高度な教育学問を究めることが成功でリーダーの条件であれば、日本をはじめ世界が平和で安全な世界になっているはずが、世界恐慌以来の不安定危機世界の予測もある。

 「宇宙からみればもっとよくみえ賢くされる」宇宙自然の法則を逸脱した不完全な人間の自画自賛的決定行動は宇宙軌道を外れた宇宙船と飛行士の未来でないことを願いつつ…。

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