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幸福形態の制約条件
人間の幸福の条件を物質的に言い表すことはできない。
しかしながら、人間の幸福とは物質的な状態のことにほかならない。
例えば、食欲、睡眠欲、性欲を人間の三大欲求とする俗説がある。しかしそれを満たせば必ず不満はないとは確かに言えないし、それらを満たさなければ必ず不満があるとすら言えない。項目をさらにいくつ増やしても、人間の幸福の属性を言い切ることはできない。人間には知性があり、幸福は知性による主観だからである。
しかし一方で、肉体を離れて精神や幸福があるわけでもない。例えば上記三大欲求は、一般的に言えば、人間の幸福の重要な要素であるに違いない。
その本質的な理由は、人間が動物の一種であり、動物には遺伝子の生存本能があり、遺伝子による本能は欲求をもたらし、その欲求の満足が幸福にほかならないからである。
よって、人間が自らの幸福の形を主体的に定義する自由性には事実上の制約がある。人間にとって何が幸福かは、人間が人間として生まれた時に、所与に定められているのである。




