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悪役令嬢の中身

修羅場中の悪役令嬢の中身は4歳です

作者: 茶トラ
掲載日:2018/02/25

ある日、目が覚めたら、お姉様になっていた。


とってもお月様が綺麗な夜。

大好きなお姉様と2人で庭をお散歩した後に。

お姉様のベッドに潜り込んで、ギュッとしてもらった。

そのまま、柔らかくていい匂いに包まれながら、眠ったけど。


何故か朝起きたら、お姉様と私の中身が入れ替わっていた。



「ごめんね、セレネ。ごめんね。こんな事になってしまってどうしましょう。」


オロオロしながら、必死に謝るお姉様。

でも、これはお姉様のせいじゃないと思うの。

きっと、精霊様のイタズラじゃないのかな?

よくわからないけど、多分、すぐに戻れると思うし。

だから。ね。


「おねえさま。セレネは、だいじょうぶ、です。だいすきな、おねえさまになれて、うれしいですよ。」


そう言って、小さい私になっている、お姉様に抱きついた。

なんか、変な感じ。

自分より小さいお姉様。可愛い。

外見は自分だけど、中身はお姉様だから、ギュッとすると、安心する。


そうやって、大好きなお姉様をギューギュー抱きしめてたら、侍女が呼びに来た。

お姉様に、お客様がきたらしい。


慌てて、お姉様が動いたけど、侍女に止められて、私に支度をするよう促された。

あぁ、そっか。今、私がお姉様だ。


「まって、セレネ!」


焦った声でお姉様が私を呼び止めるけど、大丈夫だよ。私、お姉様のマネうまくできると思うの。

だって、大好きなお姉様のこと、いつも見てるから。

だから、安心してね。お姉様。


※※※



「やぁ、朝早くから、すまないね。エアリス嬢。」


侍女に着替えを手伝ってもらい、お客様の元へと急いでみたら。

そこには、お姉様の婚約者様がいた。

いつも、私に柔らかく笑って遊んでくれるのに。

なんだか、今日はちょっと怖い顔。


「いえ、だいじょうぶ、です。」


「ちょっと、今度の卒業パーティーの件で、急いで話したいことがあってね。…ここでは、ちょっと。庭に出ても良いだろうか?」


婚約者様の視線が、私の後ろに流れたので、私も視線の先を辿ったら、そこには私の姿をしたお姉様がいた。

なんだろう?私に聞かせたくないお話なの?


私の返事を聞くまでもなく、婚約者様は私をエスコートして、そのまま我が家の庭へと進む。

色とりどりの花壇を眺めながら、昨日お姉様とお月見をした場所へとたどり着いた。


…お姉様は追っては、こなかった。



「おはなしとは、なんでしょう?」


「…君は、わかってるはずだと思ってるが。」


卒業パーティーは、君をエスコートしない。

そして、そのまま、婚約破棄したい。


そんな言葉を、怖い顔のまま、吐き捨てるように突きつけてきた。


……え?



何を言ってるの?


だって、だって、この人は、お姉様の大事な人で。

お姉様は、この人のことが、大好きで。

私にいっぱい、この人のことをお話してくれてるのに。

この人は何を言ってるんだろう?

お姉様はあんなに、卒業パーティーを楽しみにしてるのに。


「…なんで?なんで、そんなこと、いうの?」



ボロボロと溢れる涙。

あぁ、綺麗なお姉様は、こんな泣き方しないのに。

ごめんなさい。お姉様。

でも、涙の止め方わかんないよ。


「なんで、そんなひどいこと、いうの?」


婚約者様がギョッとした顔をしたけど、まだ怖い顔のまま。


「やだ、こわいかお、しないで。…すきなのに。」


お姉様、あなたのこと、好きなのに。


「…何を今更。冷たい態度しか見せなかったくせに。好きでもない男でも、ほかの女にいかれるのが惜しいのか?」


また、冷たい言葉を浴びせてくる。

なんで、また、そんなひどいこと。


お姉様は、とっても優しくて。

お姉様は、とっても綺麗で。

いつでも、私のことをギュッて抱きしめて安心させてくれて。


「おねがい、ギュッて、して。」



なんで、怒っているの?

なんで、優しくしてくれないの?


こわくて、悲しくて、不安で。

涙が止まらなくて。


怒ってるこの人をどうしていいのか、わからなくて。

泣き顔のまま。

ギュッてしがみついた。


「おこっちゃ、やだ。やさしく、して。ギュッてして。」



いつも、お姉様にしているみたいに、胸にぐりぐり顔を押し付けて、大泣きした。

お姉様のこと、怒っちゃやだ。

お姉様のこと、泣かせないで。

今は、私だから、大丈夫だけど。

…本当は、大丈夫じゃないけど。

お姉様の体にちゃんとお姉様が戻ったら。

また、同じことしないで。

ひどい言葉、突きつけないで。


お願い。

お姉様は、婚約者様のこと。

本当に。


「…すきなの。」



綺麗なお姉様の顔を、涙でぐちゃぐちゃにしたままだったけど。

お姉様の気持ちを知ってもらいたくて。

その言葉だけ、告げて。


泣きすぎて、疲れて。

お姉様の婚約者様にしがみついたまま。

寝た。



※※※



朝、目が覚めたら。

いつもの私に戻ってた。


お姉様が、ありがとうって。

いっぱい、いっぱい褒めてくれたから。


なんか、よくからないけど。

お姉様が笑ってるから。

私も、うれしい。


「おねえさま、いっぱいギュッてして。」





お姉様はツンデレ。

婚約者様は幼女に弱い。


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― 新着の感想 ―
[一言] いつも作品拝見しております。 お姉さまバージョンを拝見し、ひさしぶりにこちらを読み返したくて来てしまいました! いや、幼女万歳!妹ちゃんいい仕事した!そして、新作ではお姉さまGJと(笑) し…
[良い点] 4歳幼女の破壊力 [気になる点] 婚約者の心の変化! [一言] 楽しく拝読させて頂きました! 婚約者の視点どんなだったのでしょうか 中身4歳幼女と知らずキュンしてしまったに違いない、心の硬…
[一言]  婚約者・・・デロデロに甘やかしたいタイプか 頼られたいタイプなんでしょうね(^_^;) で、泣いて縋られたら落ちて・・・あとは溺愛?!(笑)
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