表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネジ飛び姫  作者: もぐもぐお
番外編 (アフターストーリー/ほか)
71/85

アフターストーリー03 「来る」

 それは、ある事件から始まります・・・。


 私達の職場は、男女共に社員のほとんどが寮住まいとなっており、寮は古い順に第一寮から第四寮まであり・・・というお話はさせていただきましたが、その中の第二寮に、私の同期である「山下」という男が入っておりまして、本来、私達の同期は皆、私と同じ、新しい第三寮へ入寮していたのですが、どういう訳か、この山下だけが運悪く第二寮へ強制的に入寮させられるのでした・・・。


 そのような事情もありつつ、とある日の事。



 「今度の飲み会、どうするよ?」


 そう私に意見を求めてきた男は、同じく同期の「大草」と申しまして、彼は身長が190cm近い、筋骨隆々の大男でした。特に気の合うヤツでして、私と彼は、良くツルんでおりました。


 「そうだな~。 やっぱり騒げるところが良いんじゃねえか?」


 この頃、私達は月に一度、同期のもの達でお互いの部屋に集まって、ささやかな交流会を開いていました。交流会といっても、単に呑んで馬鹿騒ぎするだけなのですが、何せ娯楽の少ない田舎の事。やる事と言えば、酒を呑むぐらいでして・・・。


 「つうと、やっぱり山下の所か。 あそこなら隣も上も下も空き部屋だからな。」


 「そうだな。 山下の所でやんべ。」


 「隣が女子寮だし、上手くやりゃあ、誰か誘えるかもしれねえぞ!」


 「そりゃあ良いね。 よし、ついでに上手くいったら、お前の彼女に報告してやんよ。」


 「なっ! コノヤロ!」


 「贅沢いってんな、このあほんだら!」



 そして、それから何日かした休日前の夜。

 私達は第二寮の山下の部屋に集合し、ドンチャン騒ぎを始める訳ですが・・・。

 その数日後・・・。


 「なっなんだこれ・・・。 気持ち悪りいな・・・。」


 「うわっ・・・。 絶対やばいって、これ!・・・。」


 「間違いねえ・・・。 これはやばい。 なんかそう呟く声が聞こえんぞ・・・。 【気を付けろ】って・・・・。」


 「馬鹿、辞めろよ渡辺!・・・。 シャレになんねえって!・・・。」


 そう・・・。まさか、あんな出来事が起ころうとは!・・・・。




 それからしばらく後の事・・・。


 「渡辺~。 また今度、この間のメンツで飲み会あんだけど、行かねえか? なんかさ、何人かお前のこと気に入ったみてえだぞ~。」


 「へえ~。 あっ!・・・。 佐藤さん! という事は、間宵さんも来るんすかね?」


 「来る来る。 なんだお前、間宵さんに目つけたのか?」


 「あ、いや・・・。 そう言う訳じゃないんすけど・・・。」


 「なんだよ、穏やかじゃねえなー。今回のお前のこと指名したのも、実は間宵さんだしよ。 女が苦手なんて言って、お前もやるこたあ、しっかりやってんな、おい!」


 「もう勘弁して下さいよ・・・。 いや、ホントにそんなんじゃないっすから!」


 「まあいいや。 間宵さん、今フリーみたいだからな。」


 「いや、ホント、そう言うんじゃないんで・・・。 勘弁して下さい・・・。」




 そして、その数日後に私は佐藤さんの飲み会にお邪魔したのでした。

 

 「おう、来た来た! 待ってました、間宵さん!」


 「ごめんごめん! また遅くなっちゃって!」


 「あっ・・・、先日はありがとうございました。(コソコソ)」


 「いえいえ。 どう? その後は。(コソコソ)」


 「いや、特に変わり無いんですけど・・・。 実は、ちょっと相談が・・・。(コソコソ)」


 「へえ? 何?(コソコソ)」


 「実は・・・。 その、間宵さんの得意分野の話でして・・・。(コソコソ)」


 「な~んだよ! 渡辺!!! さっきから間宵さんとコソコソと!」


 「あっ! いや、別に!・・・。」


 「あはは! 佐藤さん、ヤキモチ焼いちゃ駄目よ~! ユキエだって若い方が良いに決まってんだから~!」


 「あはは・・・。 分かった。 それじゃ、飲み会終わった後にでも・・・ね?(コソコソ)」


 「はあ、お願いします・・・。(コソコソ)」



 そして、飲み会終了後の事・・・。

 私は、間宵さんを送る事を口実に、今回の件を相談するのでした。


 「・・・という訳でして。」


 「へえ~・・・。 それはちょっとヤバそうね。」


 「うぐっ! やっぱり、そうですか?」


 「まあ、キミは問題無いだろけどね。 そのお友達は気になるね。」


 「いや、実は、そん時の部屋に住んでるヤツが、一番気にしてるみたいなんすよ。」


 「ん~・・・、分かった。 それじゃ、明日にでもお邪魔するよ、キミの所に。お休みでしょ?」


 「ええっ!? そんないきなりで大丈夫なんすか!?」


 「これも何かの縁だからね。」


 「いや、なんかホント、ありがとうございます! 何せ、こういう事は間宵さん以外に相談できないもんで・・・。」


 「あはは! 気にしなくて良いよ。 キミはもう、他人じゃないんだし。それに、佐藤さん達とは何回も会ってるけど、キミたちの寮へはお邪魔した事ないし。」


 『良い人だ~・・・。 これだけ美人で良い人なのに、彼氏が居ないなんてなあ~。 好みがうるせえのかな?』




 そんな訳で、その翌日・・・。

 私は、間宵さんを駅までチャリンコで迎えに行きます。


 「この坂道を上がると、うちらの寮なんで。」


 「流石にキツイでしょ? 歩くから、ここまでで良いよ。」


 「いや大丈夫ですけど・・・、そうですか? いや、どうも。

 (ホントに良い人だ~・・・。 一時でも霊感商法の勧誘なんて疑ったのが恥ずかしい・・・。)」


 「もうちょっと上がったとこ、あそこに見える横道の先なんですよ、うちのりょ・・・。」


 そう説明をしようとする私の言葉を急に遮り、間宵さんが唐突に声をあげます。


 「ねえ、この道ってさ。 結構事故多い?」


 「うがあるのって、え? いや、確かに、事故って程じゃないですけど、軽い接触なんかはしょっちゅうですよ。 結構道幅あるし、直線で見通し良い所なんすけどね~・・・。 って、なんでですか?」


 「ん~・・・。 さっきからさ。 車の運転する格好した人が、何度も何度も、上ったり下りたりしてんだよね。 ほら、こういう風に、ハンドル握ってるみたいに。」


 「えっ・・・?」


 「しかもね、その人。」


 「・・・・。」


 「腰から下が無いのよ。 たぶん、事故死した人じゃないかな?」


 「うえっ・・・。(ああ・・・。 これか~、この人に彼氏が出来ない理由って・・・。 お気の毒に・・・。)」


 そんなトラブルもありながら、とりあえずは移動疲れを癒すために、間宵さんを私の部屋にご招待します。


 「へえ~! 男の子の部屋にしては、ずいぶんと綺麗じゃないの~。」


 「はあ。 物が無いだけってのもありますけど・・・。」


 「でもさ、ここ、凄いね。」


 「えっ・・・。 何がっすか?・・・。(やだなあ、聞きたくないなあ・・・、怖いなあ・・・。)」


 「ここってさ、自殺した人居ない?・・・。首吊って。」


 「えっ・・・!」


 この間宵さんの一言には、心底ビックリでした・・・。

 と、申しますのは、この数ヶ月前のこと・・・・。


   ・

   ・

   ・


 その日、私と上司である川崎部長は、会社の敷地内にある森林を散策しておりました・・・。


 「部長~。 なんでこんな林の中ばっかり探してるんすか? しかも、目線が上なのも気になるんすけど・・・。」


 「いや~。 もしかしたらさ、ぶら下がってんじゃないかと思ってね~。」


 「えっ・・・・!」


 この日から三日前のこと、私と同期入社した河野という男が、いきなり失踪するという出来事がありました。

 うちの会社は特別環境がきついという事はないのですが、何せほとんどの人間が寮生活を送る関係で、社員同士の密接度が高いと申しますか、食事も食堂で共同で摂りますし、若干コミュニケーション能力が必要とされます。

 その辺が苦手な人間には、恐らく地獄のような環境だったのでしょう。

 そんな訳で、会社としても当然放っておけないと思ったのでしょう。 一応、親元への連絡などをして、居所が分からない事から、いよいよ散策となった訳ですが・・・。


 「やっやめて下さいよ・・・。 シャレにならないっすよ・・・。」


 「いやいや、冗談じゃなくてね~。 昔にもあったんだよ、こんな事が。

 あ、これ言っちゃいけなかったんだったなあ・・・。しまったしまった・・・。

 渡辺くん、聞かなかった事にしといてね。 はははは。」


 「はははは・・・。 またまた~! 部長ったら~!(って、それ笑うとこ!? それ、何処で吊ったんですか!? 無茶苦茶気になるんですけど!)」


 結局、河野の件は、警察へ任せるという段になって、両親が匿っていた事が発覚し・・・、そのまま、河野は会社を去っていた訳ですが・・・。


   ・

   ・

   ・


 「いや、なんか・・・、そんな噂はチラッと聞いた事あったんすけど・・・。 まさか、冗談っすよね!? ホントは、佐藤さんとかから聞いて、からかってんでしょ!?」


 「え? 知らないよ。 でも、居るよ、そこに。」


 「そっそこって?・・・。」


 「この部屋の、直ぐ隣。 そこ、元々林だったでしょ?」


 「いぃぃぃやぁぁぁぁ!!!! きっ聞きたくねえぇぇぇ!!!! っていうか、今そこ、俺の自家栽培の畑になってるんですけど!!!! なんか、やたら野菜の成長が良いのは、そのせいなんですか!?」


 ちなみに、私の部屋は一階の一番端だったため、面倒なので建物内部を通過しないといけない玄関は使わず、いつも庭側の大窓から出入りをし、鍵はかけていませんでした。その前に広がる庭を個人的に占有し、畑を作って、食費の足しにしていたのですが・・・。 たしかに、この辺は寮を建てる以前、林だったそうで・・・。


 「う~ん。 でもさ、これだけ色々居たら、なんか変な現象とか起こらなかった?」


 ― ピキッ バキッ・・・。


 「あ、ほら。 こういうラップ音とか。」


 「えっ! いやいやいやいや!!!!

 これ、建物が手抜きで軋んでるだけでしょ? ホントはそうなんでしょ? だって、こんなのしょっちゅう鳴ってますよ!」


 ― ピキッ バキッ バキッ・・・。


 「・・・・・。いっ、いやだなあ、間宵さん! またまた脅かそうして! ホントは冗談なんでしょ?」


 ― ピキッ バキッ バキッ バキッ バキッ・・・。


 「・・・・・・・・。 いやぁぁぁ! じょっ冗談だって言ってぇぇぇぇ!」


 「別に、キミがそんなに怖がる事ないでしょ? キミには強い味方が憑いてるんだし。」


 「いや、憑いてるって・・・。 そういう問題じゃないっすよ! なんか、もう一緒に幽霊と同居してる時点で、普通じゃ居られないですって!・・・。」


 「同居してるって、そもそもキミの場合は、元々そうでしょ? まあ、あんまり気にしない方が良いよ。 霊なんて、そこら中に居るんだから。 それにしても、この辺は多いけど・・・。」


 「(なんてこったい! 俺、なんちゅう所に住んでんだよ! なまじ間宵さんの事が信用できるもんだから、半端無く怖ええ!!!)

 いや、なんか正直、変だなとは思ってたんすよ!!!

 やたら金縛りとかあるし、そん時に夢なのか何なのか、天井に怒ってるオッサンの顔とか、泣いてる赤ん坊の顔とか、笑ってる赤ん坊の顔とか・・・! 特にこう、笑ってる赤ん坊なんて「ケテケテケテケテ・・・」って!!!

 あっ、最近、疲れてんのかな、俺。 ぐらいにしか考えて無かったんですけど!!!」


 「ああ、ちゃんと色々起こってるんじゃん。」


 「ああ、もう無理無理!!! ホント引越してえ!!!

 間宵さん、何とかならないんすか!? 悪霊退散とか、除霊とか何とか!!!

 良くあるでしょ!? ホラ!!!!」


 「でもさ、例えば、キミを守ってくれている彼女みたいな霊も居る訳だから。それを怖いとは思わないでしょ?」


 「そっそんなの、比べ物にならないですって!!! 一緒にしないで下さいって!!!

 っていうか、もうむしろこんな時は姿を現して、気を紛れさせて欲しいっす!!!(ガタガタ)」


 「あはは。 ああ、でも、キミももう少し、霊についてお勉強した方が良いかもね。」


 「いや、それいらないですから! 全然、必要無いですから!」


 「まあ、そう言わずに。 彼女の事を、理解する事にもなるんだから。」


 「はっはあ・・・。」


 という訳で、間宵さんによる「心霊講座」が始まるのでした・・・。


 「まずね、私の経験からになるんだけど、分かり易く言えば、霊っていうのは、大きく分けて二種類居るの。」


 「はあ・・・。」


 「一つは、私達と同じように、生きてる人間とまったく同じ思考回路を持っている霊。これは本当に変わらないから、ちゃんと会話が成立するし、霊の方も自由に動けるみたい。 彼女なんかは、そのタイプね。」


 そう言いながら、私の事を指さし・・・。 それにつられ、私も思わず後ろを向きます・・・。


 「もう一つは、単一の思考回路しか持たない霊。これは色々なパターンがあるんだけど、大抵は同じ事を延々と繰り返している場合が多いわね。 例えば、さっきここで来る途中で見た、上半身だけのドライバーとか、その隣の首吊った人とか。」


 「えっ・・・。」


 「感情で言うとね、前者は喜怒哀楽をちゃんと持って使い分けられるんだけど、後者は、例えば怒だけだったりとか、哀と怒だけだったりとか、ちょっと欠落した印象になるの。 こっちのタイプは、話が通じない事が多いのね。 人間にも居るでしょ? 会話が成立しないタイプ。 まあ、まったく同じなんだけどね。」


 「つっつまり・・・。 その後者の方が、悪さをする霊って事ですか?・・・。」


 「そうとも限らないんだけどね。ただ、確かに思考が単一の霊の方が、所謂 ”悪霊” って言われるものになるかもね。良く言われる、浮遊霊だとか、地縛霊だとか。私はそういう分類はしないけど、アレなんかは単一思考の霊の典型だと思うよ。」


 『えーなにこれ、もう怖すぎるんですけど!』


 「もう一つは、これは私だけが見えるイメージかもしれないけど、霊にはそれぞれ色があってね。」


 「えっ、色!?(っていうか、霊自体があなたしか見えませんよ! 間宵さん!)」


 「そうそう。 例えば、黄色とか白とかは、とても力が強くて性格的にも穏やかな霊が多いのよ。 逆に、青だとかはあんまり良くない事が多かった。 特に、赤なんてのは最悪ね。」


 「へっへえ・・・。 そっそういえば、昔撮った心霊写真は、なんか赤とか青でしたよ・・・。 ちっちなみに、アイツは何色なんすかね?・・・。」


 「彼女は金色ね。」


 「きっ金色!?・・・。 まっまあ、昔から何かと目立つ事が好きなヤツでしたけど・・・。」


 「とても強い意思を持ってるのよ。 要するにね、私が思うに、これって生きていた時の ”意志の強さ” に関係してると思うの。 意志が強ければ強い程、鮮明に霊として残るけど、中途半端な意思や、偏った意思の場合は、単一思考になりやすいみたい。」


 「ちなみに、意思が弱いと、どうなるんすかね?・・・。」


 「よくいう ”成仏” って事になるわね。 あれって、結局意思の力が潰えて、完全に消滅した状態だって、私は思ってる。」


 「なんか、急に成仏がおっかなくなってきたっすよ・・・。」


 「なんで? 思い残す事が無くなって、無に帰るのも、悪くないんじゃない? あはは!」


 「(もはや悟りの境地だな・・・。 霊の話を含めて、俺には理解できん・・・。)

 とっところで、肝心な相談事なんですけど・・・。」


 「ああ、ごめんごめん。 そうだったね。 で、どれ?」


 「この写真なんすけど・・・。」


 それは、私達の同期交流会で撮った、山下の部屋の写真でした。 全部で十数枚の写真を撮ったと思うのですが、その中の五枚程・・・、訳の分からないものが写っていました。


 その五枚は、私達が呑んでいる風景を、同じ角度から撮ったものなのですが、一枚目の写真には、二つの小さな光の玉が写り込んでおり、これだけなら何も問題がないのですが、二枚目でそれが大きくなり・・・、三枚目では、ついにそれが何なのかがハッキリと写っています・・・。 つまりそれは、車のフロントライトでして、三枚目には、バンパーやフロントガラスまでもが写り込んでいました・・・。

 更に、四枚目では、そのフロントライトの中央・・・、つまり、バンパーの前辺りに、謎の人影・・・恐らく女性ではないかと思うのですが・・・、それが写り込んでおり、五枚目の写真が一番恐ろしいのですが・・・、そこには・・・、恐らく「猫」の目と思われるものが、写真いっぱいに写り込んでいるのでした・・・。

 ちなみに、この全ての写真が、山下の部屋で行われた飲み会の風景に重なって写っておりまして、その時使用したカメラは、開けたばかりの所謂「使い捨てカメラ」を使用しまして、もちろん今の様に合成技術などは手軽に出来ない時代でしたから、それが写った事に説明がつかず・・・。 しかも、あんまりにも鮮明に写っていたもので、皆が震え上がってしまったという訳です・・・。


 「これは想像以上に凄いね・・・。 たぶん、そこで撮ったんでしょ?」


 そう言って、彼女が指さした方角は、まさに第二寮の方角でした・・・。


 「やっぱり・・・、何か凄いんですかね?・・・。 あそこの第二寮は、結構古いみたいっすけど・・・。」


 「凄いね。 赤やらオレンジやらの霊がウジャウジャ居るよ。」


 「・・・・。(あーなんだろう・・・、怖いのって極限過ぎると違う考えが浮かんでくるんだなあ。あー、から揚げ食いたい・・・。)」


 結局、この写真は間宵さんの手により処分され・・・、残念ながら第二寮の方は、次から次へと霊が溢れて、手のつけようがないという事でした。

 山下には、早急に引っ越す様にとの事でしたが・・・、それも出来そうにないんじゃないかと告げますと・・・。


 「じゃあ、本人には何も教えない方が良いかもね。写真もただの写り込みって事にしておいた方が良いよ。 こう言うのは、気の持ち様だから。

 何にもないって思わせた方が良いよ。知らない方が、まだ安全だと思う。」


 と、意外とアバウトな意見をいただくのでした・・・・。


 『って、それなら、俺にも上半身だけのドライバーとか、首吊った人とか、幽霊の詳しい話とか・・・・。その情報、いらなくね? っていうか、俺にも何にも教えない方が良くね?・・・・。』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ