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自殺名所の営業マン(霊)??  作者: 井戸端 礼
1/10

営業マン(霊)登場?

ここは自殺の名所と呼ばれるA樹林。そこに一人の少年がふらふらと歩いていた。

「もう僕は、生きていくのが嫌になった・・。学校行けばシカトされて、声掛けてくる

のは暴力を振るう連中で、毎日体が傷だらけ。親に相談しても、仕事、仕事って「自分で

なんとかしなさい」って・・。それでも親かよ。先生にいっても何にも取り合って

くれない。家にひきこもれば、親は「体裁が立たないから学校いけ!」って追い出され

るし・・。好きな女の子に、声掛けたら「キモイから寄らないで!」と言われたり・・。

SNSで裏サイト開けたら僕の悪口が何十個も書いてあって「早く死ねば」とか

「いないほうがクラスの平和になる」とか「暗い」とか、一体何なんだよ!僕が何か

したのか!だまって授業受けて昼休みも角の席で静かにして、みんなに迷惑かけたって

いうのか!でもいい・・・・・。僕はもう疲れた・・。

自殺サイトで知り合った人とここで待ち合わせしているから。そこで一緒に

死のうって・・。何か、仲間ができたみたいでうれしかったな・・・・。あ、ここか~。

わかりやすいな。赤いロープを縛っておくからその木で待ち合わせだったしな。

早く来たみたいだし、ここでまってよう。」少年は、自殺を一緒にしようといったその木

の下で、待つことにした。

約束の時間は午後11時。時間は10時半。確かに早い。まあ家にいたところで、落ち着く

場所があるわけではないので、ここにいたほうが気持ちも落ち着くと思った。

何かしているわけではないが、死ぬんだと思っているからなのか、時間がたつのが早く

感じる。もう11時になった。


「あれ、彼はまだ来ないのか?ここまできて自殺する気なくしたのかな?いや、そんな

ことはない。彼も相当悩んでいたから。きっと来るはずだ家を出るタイミングが遅くなった

か、電車が止まったんだろうな。もう少し待ってみよう」

しかし、11時半になってもそして12時になっても、彼は来ることは無かった。

「もう12時だよ・・。なんか心細くなってきた・・・・。いまさら家には帰れないし・・

いい!決めた。僕が一人で実行すればいいんだ。たしか首つりの仕方はネットで調べた

から、ロープをこう巻いて、こう絞めて・・・っと。できた。できるだけ折れにくい枝に

かけるんだよな。できたぞ~。いよいよ死ぬ準備が。持ってきた台をセットして・・・・。

短い人生、何にもいい事なかったけど、これも自分の運命なんだって思うしかない・・。

よし死ぬぞ・・・」

と彼が首にロープをかけようとした瞬間。


「おめでとうございます」


という声が聞こえたような気がした。あれ??周りに人はいないよな??と彼は思った。

仕切り直しだ、もう一回と思ったところ


「早く、やってくれよ。あと一人なんだから」


またしても声が聞こえたような気がした。おかしい?さすがに2回目となると気味が悪い。

彼は台から降りてまわりを見渡した。やっぱり誰もいない。何だ気のせいか・・・。

彼はもう一回気合いを入れなおした。今度こそ決めてやる!!と足を台に乗せたところで


「あ~じれったい。一瞬なんだから早くやれよ」


今度は先ほどより大きく聞こえたような気がした。もう落ち着かなくなった彼は台から

降りて思わず叫んでしまった。


「誰だよ!どこから僕を見てるんだ!隠れてないで出てこいよ!」


内気な彼にしては人生で多分一番大きな声をだして彼は呼びかけた。

その時、今まで見えなかった白い塊のようなものが少しずつ大きくなり、時がたつにつれ

人間の形となって見えてくるようになった顔はぼやけているがなんとなく笑っているような

気がする。


「どうやら見えてきたということは、君は死の世界に半分足を踏み入れたということだ」

そういうと、その人の形をした白いかたまりは、こちらによってきた。


(これって、もしかしたら幽霊??でも思ったより怖くない)


彼は話しかけてみようと思った。

「あなたは何者ですか?」



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