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若い村長と村娘
「村長!」
私はドアを蹴破った。
「…その呼び方やめないか?」
若くて格好いい村長は、ドアに目もくれず呼び方を変えろと言った。
「だってアナタは村長じゃないですか」
あ、今の台詞格好いいかも。
「村長だけど、なんかジジイみたいじゃん。
どうせならもっと格好いい呼び方にしてよ」
頭を抱えるほど悩んでいたんだ村長。
「じゃあ園長」
「村は幼稚園じゃない」
とりあえず長がついているのを適当に言ってみよう。
「校長」
「小学校でもない」
まだダメなの…しかたないなあ。
「理事長」
「高校でもない」
ちっ。
「社長」
グレートアップしてやった!これならどうよ。
「会社じゃねえ!」
ついに村長がキレた。
「船長」
「海がない」
しまったここ村だ。
「係長」
「だから会社じゃない」
もうネタがない。
「じゃあ組…「それはダメだ絶対ダメだなんでも長つければいいと思ってんじゃねえぞ」
もういい、これで決着をつける。
「長!」
「長でいいだろ!!」