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異世界に行ったら帰らなくていいだろうが
「おれ丁度中2だから不思議な声が聴こえるようになって異世界救いに行くかも」
「行けるわけねえ」
「行けるだろ」
「根拠は?世界なんてないだろ」
「根拠は?」
「腹立つ…仮に行けたとして異世界で生活出来るのか」
「大丈夫、テーブルマナーは完璧だ」
「もう王女に気に入られる前提?主人公気取り?」
「その他異世界ルールも頭に叩き込んでる」
「異世界ルールって、作り話がガチの異世界に通用するかよ」
「実際に異世界に迷い込んで、帰ってきた馬鹿な奴等に聞いたからな」
「なんで馬鹿呼ばわり?」
「異世界には人間界なんて目じゃないほどかわいい子だらけだろう」
「まあ同意しよう」
「異世界に行ったら人間界なんて捨てて帰らなくていいだろうが!!」
「なんで!?」
「異世界には恋人が沢山、人間界には一人もいないだろう?」
「確かに」
「異世界に行きたい!!行かせてくれ頼む」
「俺も行きたい!いいやつなのになぜかモテない主人公の悪友でいいから!!」