ネギ
俺の名は「東条 幻」
友達は基本的に、ゲンと呼んでくれる、ただこんな名前の割りに、俺は何かが得意な訳でもなく、ただの人以下の存在だ、自分で思うに、スーパーのレジ打ちは割と得意だ!
「東条君ーレジお願い」
「はっはい」
店長にレジを任され、今日もいつもと変わらずレジを打ち、客が引けると、また新人にレジを打たせ俺は休憩室にこもる。
こんな生活を毎日過ごしていると、ある日そう突然、お客さんに「君!何か欲しいものはあるかい?」
と聞かれた、だが欲しいものは無い。
「いえ、特にありません」
「本当に何も?」
少し考えてみた、欲しいもの?
………………………………ハッ
そうだ!アニメを見たときに、強かった主人公みたいになってみたいと、思っていたんだ。
「ひとつだけど、ありました」
「何かな?」
「力っ!アニメの用な力が欲しいです。へへ」
半笑いで答えた。
「では、これを持って目を瞑りなさい!…そうすると、転移出来ますよ。」
と言いつつ、ネギを渡された。
「イヤこれネギじゃん」
「転移ネギです」
受け取ったネギを見て、近くの棚にあるネギを見る、大差は無く普通にネギだ。
「お客さん、失礼ですが!からかうのは……………」
お客さんの方へ目線を向けた、お客さんは居なかった。まだ精算の終えてない、商品と共に居なかった、堂々と万引きを許してしまった。
その晩、ネギを持ち家に帰宅、台所でネギを握りしめ、目を瞑ってみた。
ギュッ
「ん?」
何も起こらない、普通に騙された。
腹立ってネギを丸かじりし、何とも言えない辛味に気分が悪くなり、ベッドにダイブし、目を閉じ意識を手放した。