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2話

「……」


やぁ、元気?


また出会えるとは思っていなかったので、出来るだけ平静を装いながら声を掛ける僕。

もしかしたらもう一度会えるかも、と帰路をこちらメインにしてみたのだ。

昨日今日の事なので、警戒されて現れないかと思っていたら、あの声が聞こえたのだ。

正直、嬉しい。


「……また来たの、あんた」


「ニャー」


僕が胡坐をかいて座ると、猫がそこにぴょこんっと飛び乗る。

前回の件でてっきり嫌われていると思っていたが、少なくとも猫には好かれているらしい。


「……」


そんな猫を一瞥し、僕に恨めしそうな視線を向ける少女。

僕としては、そんな顔をされると実に悲しいので


こっち来て、撫でてあげたら?


昨日はそうしてたのに、と声を続けようかと思ったが、今の少女の機嫌を考えると藪蛇になりかねないので黙っておく。


「……むむむ」


唸りながら少女が僕の方へとにじり寄り、限界まで僕に近づかないようにしながら猫の方へと手を伸ばした。

猫は少女の手に頬を当て、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしている。

そんな仕草が可愛くて、僕もついつい手を伸ばしてしまい


「……っ!」


少女の手に僕の手が触れた瞬間、少女がバッとその場から飛んだ。

その直後、膝元にいた猫の奇襲で前回とは反対側に一文字が刻まれた。


いぎゃっ……!?


完全に不意を突かれた僕はゴチン、と頭を打ち付けのた打ち回る。

そんなこんなしているうちに、予想通りと言うかなんというか、少女と猫の姿は無くなっていた。


(……また、会えるかな?)


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