話の中の状況
「で?その組織はどういう構成で
できているんだ?」
「幹部5人と、ボス、それだけだ。」
「なるほど、雑魚はいらないってか、
調子に乗った組織だ!」
「よし、行こう!俺を1人目の幹部の所へ
つれていってくれ!」
「よし、ワープぅ!」
精霊の声と共に体が浮き上がり、
とてつもないスピードで移動を始めた。
時間でいうと十秒ほどでついてしまった。
パタッ、
「ついたぞ、ここが最初の幹部の
いる話の中だ!」
あたりは、壊れた家がちらほらあるだけで
それ以外はなにもなく、とても殺風景だった。歩いている町人も少なく、歩いていても、
その服装はとても貧相でところどころつぎはぎだらけであった。
「...おい、ここが、話の中なのかよ!これも組織の影響なのか!?」
男は拳を握りしめ、言った。
「そうだ、これも組織の影響だ。何もかもを破壊し、自分の支配下におく、それが組織のやり方だ!!」
「行くぞ!今すぐ、今すぐ幹部を倒してやる
俺を幹部のもとにつれていけ!」
「待つんだ、まずは頭の整理をつけ、戦いにそなえ今日はゆっくりと休むんだ」
「でも...」
頭の中に吹き飛ばされたときのことが浮かんだ。
「わかったよ、今日は休むよ。」
「まず、服装、武器を今日のうちに揃えておこう」
「そんなもの、必要ない」
「な!なんだと!生身で戦うというのか!
無理だ、無理!」
「うっせえな、じゃあ、金くれ、そしたら、
買ってくっからよ、じいさんは早く寝ろ」
「わかった、ある程度渡しておく、じゃあな」
精霊はお金の入った袋を男に渡した。
精霊がすたすたと宿にむかったことを確認してから男は市場に向かった。
男は武器屋、防具屋には目もくれず、
宝石、財宝の売っている店を求めて
さまよっていた。その時、後ろから
黒ずくめの男にお金の入った袋を奪われてしまった!
「おい。。。俺の金、返せ!」
男は全力で黒ずくめの男を追いかけた!
男はすぐに黒ずくめの男に追いつき、
後ろから張り倒し、背中に乗っかった。
「俺の金を盗むとはいい度胸だ、望み通り
ボコボコにしてやるよ!つ!?.....」
男は黒ずくめの男の正体を知り驚愕した。
「子、子供!。。なぜだ、なぜこんなことをした!?」
少年は語りだした。
「俺の家族は全員、あいつらに殺されたんだよ!!俺は生き延びるためにこうやって、
他人のものを盗ったりしていかないと、
俺。。。いきていけないんだよ!!!」
っ!?男は少年の今にも泣き出しそうな瞳
から少年の言葉に嘘はないと思った。
男は無言で少年にお金を渡し、
その場を立ち去った。
宿に戻り、男は眠った。