beginning take 2
いやぁ、何から話すべきか…
そりゃ悩みますよ、人にトラウマってどう考えても俺じゃ駄目だろ。
しゃあない、聞かなきゃ先進まないし…
…んと、気分はどう?
当たり前すぎるか。
…えっと、名前は?
唐突に聞いても無理だな。
…追われてたのは何で?とりあえず話してみて。
強要しすぎか。
「…ポーラ、ポーラ・セレフ…」
いきなりビックリしたぁ!!
ポーラって言ったよな?
絞り出すようなか細い声で言ったから、ちょっと聞こえにくかったんだ。けど喋ってはくれた。
…歳は?
「…21」
…何処の出身なの?
「…バリストク…」
…何で追われてたの?しかも一度じゃないでしょ。
「……あなたを信じて大丈夫ですか?」
ん?トラウマ抱えてるんだよな。まぁ俺ら警察だしそりゃ勿論!
「…話します、何となくだけど貴方なら信じれる…」
自分ではこの娘と話すにあたって、これといってした事は何一つ無いんだけど、とりあえず自分を信じてくれたことは素直に嬉しかったんだ。
警察になったのも、自分みたいな奴でも誰かの役に立てれるんであればって思ったから、それはそれで本望だった。
ポーラと名乗るこの女性は、重い口を開いた。
「…私、紫眼族の血を引いてるんです…」
…紫眼族……
始めて聞く言葉だったんだ、何処かの部族なのだろうが、自分はその時は正直知らなかった。
…それと追われてるのとどういう関係があるの?
「…わからない、私でもわからない、本当にわからないんです。」