beginning take 1
「ん~紫の目…」
ユーリのおっさんも不思議に思っていたんだ。だって今は普通の黒い目をしてるし…
常に紫の目をしている訳じゃないところが少し不気味に感じる。
あ、そう、あのとき介抱した女性は警察管轄内の病院で保護してる。
しかし、名前を聞こうにも一向に口を開いてはくれないらしい、警戒心の塊のような感じだ。
アニカが言ったんだけど、
「よほど酷い目にあってきたようね。なかなかないわ、ここまでなるのは。」
どういう事?
「彼女は誰も彼もがトラウマなのよ。つまり人自体が…」
身体には無数の傷や内出血の痕があったそうだ。
只の対人恐怖症じゃ無さそうだ…
そこへユーリのおっさんが、
「セルゲイ、お前に委したわ、この娘。」
はいっ?おいおい他に沢山いるなかで俺かよっ!
困るわちょっと…
何故おれに委すのか聞いたら、
「お前、孤児院育ちだろ。何かこう、苦しみわかってあげられるだろ?俺は御手上げだ、よろしく!」
答えになってねぇ~!てかよろしくじゃねぇし!
いやそりゃ孤児院育ちですけど、こういうのはアニカとか女性の方が良くね?
委された時はかなり困惑したけど、以外にも俺にだけはすんなり口を開いてくれたんだ。