action take 3
「セルゲイ刑事、検死の結果出たわよ。」
この女性は、解剖担当医のアニカ、アニカ・チャフコフ。まぁ、持ち上げて言えばクールビューティー、てかただの冗談の通じないドSな姉さんて感じ。
んで、アニカの言っていることはこうだ。
・死因は薬物によるショック死、右腕には注射痕らしき小さな穴。
・身体にはロープみたいな縄状の物で縛られていた痕が残っていた。
・骨盤には直径10cm程の穴が開いていた。
・最低でも死後2日は経っている。
といった具合だ。
「先輩っ!現場検証終わりました!」
って間髪入れずにやって来たけど、こいつは俺の2年後に刑事になった、アラン・シェンコヴィン。あまりこいつのこと誉めたく無いんだけど、俺なんかよりも全然しっかりしてて、なかなかミスしない。理性的で頭がいいみたいな…
あんまり言ってたら腹立ってきた!
んで、こいつが言うに、
・死体発見現場には争った形跡は全く無い。
・車のタイヤ痕が辛うじて残っていた位。
・山の中なので人気も勿論無く、一番近い民間でも、車で30分かかる。
まぁ、死体は遺棄したんだろうな。ロープかなんかで縛って注射器で薬物混入、それで山の中に遺棄…
それでだ、やはり一番気になるのは骨盤に開けられた穴の事だ。これはなんのために開けられた穴なのか全く想像がつかない…
とはいっても取り敢えず腹が減ってはなんとかって言うし飯にしよう。
俺は例によって、アランを誘ってモスクワ郊外の行き付けのピロシキの旨い店へ向かった。
その矢先、とある事件に遭遇した…