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鶴瀬視点【3】
校長先生のお話も終わり、私達教員は体育館へと移動していました。
その間、堂満先生から、D組の生徒達のことを聞いていました。
「ふふ・・・実はねぇ。二番の赤倉くんは私のこと好きなんだよ~!」
他の先生も居るのに、急に堂満先生はそんな話をしだしました。
「え・・・えぇー!?」
逆に大きな声を出した私の方が周りの先生に注目されました。
「え・・え・・じゃ・・・オツキアイとか・・えっと・・・」
そのとき少し舌が廻らなかったのを覚えています。
「やだなー!告白とかされたわけじゃないし・・・・」
堂満先生は、少し頬を赤らめるフリをしていました。フリですよ?フリ。
「そ・・・そうなんですかぁ?じゃあなんで・・・?」
「毎回アプローチされるんよ。『好きだー』だの『結婚してー』だの」
それは立派な『告白』なんじゃ・・・そう言いかけたとき、私達は体育館に到着していました。
・・・今思えば、ここで私が学校を逃げ出して、家に帰っていれば、あんなことは起こらなかったかもしれませんね?
・・・愚問でしたね。
そんなことがあるわけない。
私は体育館に必ず入った。
これが答えですよね?
ねえ?