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限界  作者: りらいず
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愛原視点【1】

今年は出席番号一番か・・・


体育館に置かれた椅子が一番前だったため、俺が「二年D組一番」であることは容易に想像できた。


 隣りに座ってきたのは直樹。小学校からずっと一緒・・・いわば親友だ。


「おおっ!今年は一緒だな♪よろしくな、まも!」


俺を見つけるなり直樹はそう挨拶をした。

ちなみに『まも』というのは俺のあだ名。

「『まもる』だからまも」という単純なあだ名だ。



「ってかなー!さっき麻衣ちゃんが言ってたけど・・・俺たちの担任新しい教師らしいぜ!」

「で、しかもしかも、麻衣ちゃんの後輩らしいんだ!」


直樹はカバンをパイプ椅子の下に放り投げて再び俺に話しかけてきた。


「へぇー・・・ってことは体育会系の若い兄ちゃん?」


正直、俺にとって『担任』が古井じゃないことがわかった時点で有頂天だった。

去年の担任が古井だった。古井はいわば「ねちねちとしたオバサンタイプ」で、正直つまらない一年であった。


そのねちねちさは、直樹が『麻衣ちゃん』と呼んで慕っている堂満先生が授業中愚痴るくらいだ。


 「ん~・・・麻衣ちゃん男と付き合わなそうだし・・・女じゃない?」


直樹は、堂満先生も気になるものの、その新任の先生も気になる・・・といった様子だった。


「そういえば、その時麻衣ちゃん言ってたけど、その新任さん。遅刻してるみたい」


「マジかよっ。相当天然だな!」

新任の担任が遅刻・・・笑えない冗談であった。


「そういえばさっき教頭が青い顔して『鶴瀬先生はまだかっ!』って言ってたよ」

俺は朝すれ違った教頭の話をした


「へ~・・・鶴瀬先生って言うのか・・・」

早速直樹は自分のメモ帳に『鶴瀬先生』とメモした。

これで男の先生だったら傑作だ。


「で、で、下の名前は!?」

「さあ・・・名字しか言ってなかったし・・・」

「なんだよー。早く鶴瀬先生来ないかな~」

直樹は足をバタバタさせてそう言った。


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