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限界  作者: りらいず
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鶴瀬視点【1】

「比較的落ち着いたクラス」・・・

それが私の第一印象でした。

中学二年生という思春期まっただ中の生徒達は、大きな声で返事をするし、私の言ったことはきちんと守るし、たとえ破った時があったとしても必ず報告する。

 この二年D組の生徒たちは私の初めての教え子でしたが、私にはもったいないくらいの生徒達でした。隣のC組の担任である堂満(どうま)先生も「D組の生徒は本当に真面目で、良い子たちですね」と誉めてくださっていました。

 それがどうしてこんなことになったのか・・・そうですね、その前に先ずはさっきから偉そうに口をきいている『私』についてお話ししましょうか。



私は、中学生の時から教師という職業に憧れていました。といっても、当時の担任が良かった訳では無いのです。むしろその逆です。生徒達のことなんて何一つ見ていませんでした。学級委員長だった私を呼び出して「おい、鶴瀬(つるせ)。今日の分の日誌を委員長に書くよう言っておけ」なんて言ったこともあるのです。当時の私はまさか「何を馬鹿な。委員長はこの私です」なんていえる訳がなかったので「わかりました。先生」と愛想笑いをして職員室を出ました。後で親友で先輩でもある麻衣(まい)さんにそのことを言ったら「なーにお嬢様ぶってんの!」と怒られてしまいました。

少し脱線してしまいましたね・・・とにかく、そんな教師のもとで育ったので「それこそ何故教師を目指したのか疑問に思う」という人も居るでしょう

しかし、私はその時思ったのです。「この担任の授業を受けている生徒がかわいそうだ。私なら、もっと上手く授業が出来る。もっと丁寧に生徒の相談を受けることが出来る」と。

すこし自意識過剰ですかね?

 そして、これ以上ギゼイが出ないように、私は教師を目指すようになったのです。

自慢になってしまいますが、元々成績の良かった私が、教師になることは難しいことではありませんでした

こうして教師になり迎えた4月。初めてのHR、出だしは最悪でした。遅刻をしたのです。


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