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高二のクラス発表で幼馴染がどうにかなりました

作者: 猫の集会
掲載日:2026/05/18

 春…それは出会いと別れ。

 

「おー、おつー」

 友だちの第一声がおつだった。

 

 高校二年生の新学期の新たなスタートに、第一声がおつって…

 

 

 

 …

 

 クラス発表…クラス発表…

 

 とにかく掲示板のクラス発表の場へと、必死に向かうオレに対して、すれ違う友だち皆が、オレに向かっておはようじゃなく、おつという言葉をかけてくる。

 

 …

 

 え…?

 

 どういうこと?

 

 オレのクラスは、どうなっているんだ⁉︎

 

 ドギマギしながら、足早に向かった。

 

 なんなら、走りたいけど…

 

 あいつ必死かよって、思われたくないオレは、平常心というウソのヨロイをまとい、颯爽と歩いた。

 

 オレのクラス…オレのクラス…

 

 まて…

 

 おつってことは…オレってまさか、進級できなかったとか⁉︎

 

 それはさすがにおつだ。

 

 おつなんて言葉じゃ済まない。

 

 乙だ。

 

 …いや、漢字にしたからどうなんだってなるでしょうよ。

 

 てか、漢字でもひらがなでも、なんならカタカナでもいいんだけど…

 

 皆が口々にいうおつの意味が知りたい。

 

 

「あ、春希はるきだぁ。おつー」

 

 …

 

 幼馴染の菜美なみがいた。

 

「おい…なんで先に学校行ったんだよ?迎えに行ってやったのによ」

「あー、ごめーん」

「てか、ここ学校って知ってる?」

「は?当たり前だよー」

「じゃあ、なんでこんなところでシャボン玉してんだよ…」

「だってー、きれいでしょ?てか、早くクラス確認してきなよ?」

 

 …

 

「あー、そうね。じゃ、オレさクラス確認してくるから待ってて。」

「はーい。おつかれー」

 

 …

 

 

 なぜおつかれなんだよ…

 

 

 

 オレのクラスって…

 

 …

 

 早くみにいかねば!

 

 てかさ、なんでこんな急いでるときに限って、あしが二本しかはえてねーんだよ‼︎

 

 …

 

 あ、元から二本しかはえてなかった。

 

 こんな時、ダンゴムシだったらめっちゃあしがあったのに…

 

 …でも、やっぱり小さいし遅そうだからこのままでいいか。

 

 あ、羽がこんな時生えていれば‼︎

 

 …でも、飛び方練習してる時間考えたら、やっぱりこっちの方が早いか。

 

 …で

 

 やっとこさ、クラス発表してあるところに到着した。

 

 

 

 えと、オレは…オレはー…

 

 

 えっ⁉︎

 

 

 あ⁉︎

 

 んっ⁉︎

 

 あー。

 

 そういうことね。

 

 なぁんだぁ、たいしたことないじゃーん。

 

 とりあえず、フツーのクラスで安心した。

 

 ただ、ただですね…

 

 オレは今日から…

 

 女の子になるらしいです。

 

 おつーだ。

 

 菜美のところに戻り、隣にちょこんと座った。

 

 菜美は、悩んでたり不安があると昔からシャボン玉をよくする。

 

 

「みんながさ、おつおつ言うからさ…なんだと思えば、大したことなかったわ。ただ女子の欄に名前がかかれてたってだけだったわ」

「あー、そうね。てか、これから女子の仲間入りだよね。なら、いっぱい恋バナしようさねー」

 

 …

 

「え、うん…」

 

 え、菜美好きなやついるんだ?

 

 これこそ、一番のおつやん‼︎

 

 てか、シャボン玉してるのって…そういうこと?

 

「で、春希は好きな人と同じクラスだった?わたしは、違うクラスだった」

 

 …

 

 えー…

 

 もうすでに恋バナ開幕かよ…

 

 てか、やっぱり好きな人と離れたとかで…シャボン玉してんのかな…

 

 

「あ、オレも違う…クラスでした。」

 

 …

 

「わたしは…ね、わたしの好きな人は…すごくモテるし、優しくていい人なんだ。シャボン玉みたいに美しくて、キレイなの。だから、もうすぐ…このシャボン玉みたいに、どこかにとんでいってしまうんじゃないかなって不安なの。お互いクラス違くて残念だね。じゃあ、これは残念賞。あげる」

 

 

 …

 

 

 ⁉︎

 

「おい、シャボン玉の中身空じゃんかよ…。ちゃんと自分で片付けろよなぁ。」

「バレたか。あ、目がかゆいかも。」

 目をゴシゴシする菜美。

 

「おい、大丈夫かよ?目洗ったほうがよくね?」

「ううん、大丈夫。そろそろ先生来ちゃうし、クラスいこっか。ハルコ」

「だれがハルコだよ…。」

「あ、じゃあハルナだね」

「どっちも不正解」

「へー。じゃあ、教室着くまでに、名前当てたらご褒美ね」

「ご褒美?」

「うん。なんか甘いやつちょうだいね」

「あー…」

 

 そんなもの…持ってないかもだな。

 

 てか、どうせ当ててくるわけないか。

 

「名前…ハルコもハルナも違うんだから…あ、わかっちゃった。春に輝くで春輝だ」

「惜しい‼︎漢字が違う‼︎」

「はい‼︎晴れるに着るで晴着はるき‼︎」

「ぶー‼︎」

「じゃあ、じゃあ、猿に狂うで猿狂さるきだ!」

「だれが猿だよ…てか、これ…なんの遊びだよ?どんどん離れていってるし…オレの教室あっちだわ。じゃあな」

 

 少し歩くと、菜美が後ろからオレを呼んだ。

 

「春希‼︎春希‼︎名前は、春希‼︎ねぇ、春希、わたし春希がだーいすき‼︎」

 

 え…

 

「ちょ…おまえ…なんでそんな大声で…」

「だって、クラス離れたら…どんどん春希が離れる気がして…不安で…」

「バカだなぁ。離れるわけないだろ。」

 

 シャボン玉してたのって…オレのせいかよ。

 

 

 オレは、皆がみているのを知っていて、わざと堂々と菜美にキスをした。

 

 それも、甘〜い優しいキスを。

 

「問題正解したから、甘いものご褒美な」

「あ、え…うん」

 

 放心状態の菜美は、とても可愛かった。

 

「じゃ、また後でな。オレも大好きだよ」

「え、うん。」

 

 菜美は…

 

 菜美こそが…シャボン玉みたいに、いつもふわふわしていて、不安定にとぶ。

 

 大事なことは、パンク寸前までこころにとじておく。

 

 そんな菜美の心が割れてしまわないように、オレは真っ直ぐに菜美をみていこうと、心に誓った瞬間だった。

 

 

 

 

 おしまい♡

 

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