高二のクラス発表で幼馴染がどうにかなりました
春…それは出会いと別れ。
「おー、おつー」
友だちの第一声がおつだった。
高校二年生の新学期の新たなスタートに、第一声がおつって…
…
クラス発表…クラス発表…
とにかく掲示板のクラス発表の場へと、必死に向かうオレに対して、すれ違う友だち皆が、オレに向かっておはようじゃなく、おつという言葉をかけてくる。
…
え…?
どういうこと?
オレのクラスは、どうなっているんだ⁉︎
ドギマギしながら、足早に向かった。
なんなら、走りたいけど…
あいつ必死かよって、思われたくないオレは、平常心というウソのヨロイをまとい、颯爽と歩いた。
オレのクラス…オレのクラス…
まて…
おつってことは…オレってまさか、進級できなかったとか⁉︎
それはさすがにおつだ。
おつなんて言葉じゃ済まない。
乙だ。
…いや、漢字にしたからどうなんだってなるでしょうよ。
てか、漢字でもひらがなでも、なんならカタカナでもいいんだけど…
皆が口々にいうおつの意味が知りたい。
「あ、春希だぁ。おつー」
…
幼馴染の菜美がいた。
「おい…なんで先に学校行ったんだよ?迎えに行ってやったのによ」
「あー、ごめーん」
「てか、ここ学校って知ってる?」
「は?当たり前だよー」
「じゃあ、なんでこんなところでシャボン玉してんだよ…」
「だってー、きれいでしょ?てか、早くクラス確認してきなよ?」
…
「あー、そうね。じゃ、オレさクラス確認してくるから待ってて。」
「はーい。おつかれー」
…
なぜおつかれなんだよ…
オレのクラスって…
…
早くみにいかねば!
てかさ、なんでこんな急いでるときに限って、あしが二本しかはえてねーんだよ‼︎
…
あ、元から二本しかはえてなかった。
こんな時、ダンゴムシだったらめっちゃあしがあったのに…
…でも、やっぱり小さいし遅そうだからこのままでいいか。
あ、羽がこんな時生えていれば‼︎
…でも、飛び方練習してる時間考えたら、やっぱりこっちの方が早いか。
…で
やっとこさ、クラス発表してあるところに到着した。
えと、オレは…オレはー…
えっ⁉︎
あ⁉︎
んっ⁉︎
あー。
そういうことね。
なぁんだぁ、たいしたことないじゃーん。
とりあえず、フツーのクラスで安心した。
ただ、ただですね…
オレは今日から…
女の子になるらしいです。
おつーだ。
菜美のところに戻り、隣にちょこんと座った。
菜美は、悩んでたり不安があると昔からシャボン玉をよくする。
「みんながさ、おつおつ言うからさ…なんだと思えば、大したことなかったわ。ただ女子の欄に名前がかかれてたってだけだったわ」
「あー、そうね。てか、これから女子の仲間入りだよね。なら、いっぱい恋バナしようさねー」
…
「え、うん…」
え、菜美好きなやついるんだ?
これこそ、一番の乙やん‼︎
てか、シャボン玉してるのって…そういうこと?
「で、春希は好きな人と同じクラスだった?わたしは、違うクラスだった」
…
えー…
もうすでに恋バナ開幕かよ…
てか、やっぱり好きな人と離れたとかで…シャボン玉してんのかな…
「あ、オレも違う…クラスでした。」
…
「わたしは…ね、わたしの好きな人は…すごくモテるし、優しくていい人なんだ。シャボン玉みたいに美しくて、キレイなの。だから、もうすぐ…このシャボン玉みたいに、どこかにとんでいってしまうんじゃないかなって不安なの。お互いクラス違くて残念だね。じゃあ、これは残念賞。あげる」
…
⁉︎
「おい、シャボン玉の中身空じゃんかよ…。ちゃんと自分で片付けろよなぁ。」
「バレたか。あ、目がかゆいかも。」
目をゴシゴシする菜美。
「おい、大丈夫かよ?目洗ったほうがよくね?」
「ううん、大丈夫。そろそろ先生来ちゃうし、クラスいこっか。ハルコ」
「だれがハルコだよ…。」
「あ、じゃあハルナだね」
「どっちも不正解」
「へー。じゃあ、教室着くまでに、名前当てたらご褒美ね」
「ご褒美?」
「うん。なんか甘いやつちょうだいね」
「あー…」
そんなもの…持ってないかもだな。
てか、どうせ当ててくるわけないか。
「名前…ハルコもハルナも違うんだから…あ、わかっちゃった。春に輝くで春輝だ」
「惜しい‼︎漢字が違う‼︎」
「はい‼︎晴れるに着るで晴着‼︎」
「ぶー‼︎」
「じゃあ、じゃあ、猿に狂うで猿狂だ!」
「だれが猿だよ…てか、これ…なんの遊びだよ?どんどん離れていってるし…オレの教室あっちだわ。じゃあな」
少し歩くと、菜美が後ろからオレを呼んだ。
「春希‼︎春希‼︎名前は、春希‼︎ねぇ、春希、わたし春希がだーいすき‼︎」
え…
「ちょ…おまえ…なんでそんな大声で…」
「だって、クラス離れたら…どんどん春希が離れる気がして…不安で…」
「バカだなぁ。離れるわけないだろ。」
シャボン玉してたのって…オレのせいかよ。
オレは、皆がみているのを知っていて、わざと堂々と菜美にキスをした。
それも、甘〜い優しいキスを。
「問題正解したから、甘いものご褒美な」
「あ、え…うん」
放心状態の菜美は、とても可愛かった。
「じゃ、また後でな。オレも大好きだよ」
「え、うん。」
菜美は…
菜美こそが…シャボン玉みたいに、いつもふわふわしていて、不安定にとぶ。
大事なことは、パンク寸前までこころにとじておく。
そんな菜美の心が割れてしまわないように、オレは真っ直ぐに菜美をみていこうと、心に誓った瞬間だった。
おしまい♡




