しゃき、しゃき。
掲載日:2026/03/11
指先に紙で薄く切ってしまった時のような、痛みが走る。
直ぐにその痛みは消えたが、指の先にはうっすらと血が滲んでいる。
翌日、二の腕が内側からざっくりと、何かに挟まれていく感覚がする。
じんわりと血が溢れ出す。
最後に乾いた音がしゃき、しゃきと鳴った。
内側から僅かに何かが光るのが見えた。
そのまま頬に痛みが走る、しゃき、しゃき。
無理やり口角が引き上げられるとともに、激しい痛みが襲いかかる。
今度は反対の頬だ、しゃき、しゃき。
痛みとともに口いっぱいに、錆びた鉄の味がする。
視界が真っ赤に染まっていく。
目頭が激しく熱くなる。
反対もしゃき、しゃき。
ああああああ
激しい痛みに声を我慢することができない。
しゃき、しゃき。
痛みが走るたび、何故か安心した。
この痛みはどこまでいけば止まるんだろう。
もう耐えられない。
私は意識を手放した。
しゃき、しゃき。
それでも私の手は止まらなかった。




