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『先生、仕事ですか?恋ですか?』――女性が苦手なTL作家は、なぜか私にだけ距離が近い   作者: 古東 白


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番外編 【長井先生のやらかし】

番外編

長井先生のお話です!


小説家インタビュー第二段【長井 光太先生】


「え、これって長井先生ですか」


綾野先生の人気が出たインタビュー記事の第二回は長井先生の登場だ。


相変わらず気が弱そうな顔だけど、見る人が見たら柔和な紳士に見えるだろう。

ヘアスタイルもスッキリ整えて見映えは良い。

綾野先生程ではないけどね。


「長井先生、昔はもっとかっこよかったのよ」


宮古先輩が教えてくれた。


「田中先輩はその事」


「もちろん知ってるわ」


「そうなんですね」


田中先輩って、結構面食いだよね。


「桜ちゃん時間大丈夫?」


「あっいけない!じゃあ、綾野先生のところへ打ち合わせ行ってきます」


綾野先生のマンションにつくと、予想外の人物が来ていた。


「何で俺に相談」


「綾野くんなら、女性問題の解決が慣れてそうだからです」


「はあ?!」


長井先生、女性絡みの相談ってことかな?

田中先輩と何かあったのか心配になる。

お茶を出そうとすると、綾野先生に止められた。


「この人すぐ帰すから」


私の手をぐっと引っ張る綾野先生。


「綾野先生ったら追い出さなくても……長井先生どういうことなんですか?」



「実は、まあちゃんに誤解されてまして」


「まあちゃん?」


「……田中さんのことだよ」


「あ!先輩、真美ってお名前でしたね」


「そう!真美、真実の美しさ。名は体を表すってこういう――」


「はいはい。で、何?さくらとの時間削られるの迷惑なんですけど」


「綾野先生ったら」


でも、そう言われるのは悪い気はしない……だんだん、綾野先生に毒されてる気がする。


「惚気か!?人が別れるかもしれないという時に」


「え、婚約してましたよね!?」


「うん、ジューンブライドで、彼女を幸せな花嫁に」


うっとりとした表情だ。


「あっ……話を戻しておきましょうか」


長井先生を現実に戻す。


「……浮気でもしたのか?」


ぎくりとする長井先生


「長井先生!まさか、本当に……」


「マジか、冗談のつもりだったのに」


綾野先生も驚いてる。二人で顔を見合わせた。


「……あんたにそんな度胸があるとはな」


「僕も知らなかったよ」


「「は?」」


「長井先生……当事者なのに何で分からないんです?」


脱線しながらも、説明し始めた長井先生の話をまとめると――


雑誌の特集を見てからファンだ、と言う子に誘われて、何人かで一緒に飲んだ。


そのあと、店を移してまた飲んで。

途中から記憶がなくなったと――。


気付いたら彼女の部屋でパンツ一枚になってたらしい。

件の彼女も下着姿で横に寝てたって……。


「あんた、最低だな」

「長井先生!田中先輩がいるのにひどいです!」


「僕もひどいと思うさ!でも……してないと言い訳出来ない……記憶がないから」


「記憶がないって、そんな――」


わけないでしょ、と言う前に綾野先生が

ふと思いついた顔をする。


「――確かに記憶はないかもな」


「綾野くん、分かってくれるのかい!」

「なんで分かるんですか!?」


「この人下戸なんだよ。酒飲めないの」


私は、まぬけな顔をしていたと思う。

長井先生は、「綾野くん!」と、感極まったように声をあげた。


「でも店で飲んだって」


「僕はジュースを飲んでたんだ。お酒ではなくても飲んだって言うだろう?」


思わず胡乱げな目になる


「まあ、この人呑めないけど。ひとくちでもアルコール入ると、口説き始めるんだよね……」


「じゃ、じゃあ分からないじゃないですか」


「糸谷さんは僕を悪者にしたいのかい?」

「あ、いえ、そういうわけでは」


「さくら。この人、田中さんしか口説かない。歯の浮くような甘い言葉で口説くのは田中さんだけ。これは確実なんだよ」


綾野先生は、遠い目をした。


「しかも気持ち悪いことに一言一句覚えていて、小説に落とし込んでいるんだ。田中さんに全面改稿って言われて進まないんだよ」


そ、そんなことが。それで原稿上がらないのね。

それにしても、その事情を知っている先生もちょっと怖い。


「綾野くんは、僕のことをよく理解してる!女性だったなら結婚を申し込んでいたよ」


「絶対嫌だ」

「だめです」


綾野先生と被った。


「さくら、かわい……あんたは早く帰ってくれ」


綾野先生は私にしがみつき、長井先生をしっしと手で払った。


「相談乗ってくれるんじゃなかったのかい!」


「そんなこと言ってな――」


――ピンポーン、ピンポーン――


「私、出てきますね」


モニターを見ると田中先輩だった。


「田中先輩。長井先生ですか?」


「ええ。やっぱり、ここにいたのね」


田中先輩は、取り乱すこともなく私の後について部屋に入ってきた。


「ま、まあちゃん……」

「光太さん。私が誤解していたわ……ごめんなさい」


田中先輩は頭を下げた。


「田中先輩、横からすみません。あの、なんで誤解だって分かったんですか?」


田中先輩は私と綾野先生を見てため息をついた。


「糸谷さんと、綾野先生も話を聞いたなら、隠す必要もないわね。二人にも関わるかもしれないし……」


そういって、封筒から写真と手紙を出してきた。

私は手紙の内容にざっと目を通す。


「これ、脅迫状ですか!?」

「あー、よく撮れてるなあ」


長井先生はビクリと体を震わせた。


「ぼ、僕は脅迫状とか、もうそんなことしてないからね!」


そこで、綾野先生が合点がいった顔をした。


「そういや、聞いたことあるな。有名人とそういう事実があったと匂わせて、金を要求するって話」


「そう。長井先生は、それに引っ掛かってたわ。知り合いの週刊誌編集から連絡が来て、発覚したの」


「え、それって……他の作家先生達も?」


「ええ。だから、お二人も注意してね」


そんな事が身近に起きるなんて。

綾野先生と目が合った。私達にもなんて……不安になる。


私の不安を感じ取ったのか、綾野先生は肩を抱き寄せた。


「俺は大丈夫だよ。さくら以外には興味ないから」


顔を寄せて頬にキスされる。


「こほん」


あっ!


「すす、すみません!」


そういえば、田中先輩と長井先生がまだいた。


「私達は失礼するわ。長井先生は、締め切りがまた過ぎてますからね」


「は、はい!まあちゃん、婚約のことは……」


「……」


田中先輩は、こちらをチラリと見た後に。


「それは……原稿が上がった後に、二人で結婚式の話をしましょう。さあ、行きますよ光太さん」


長井先生は、その言葉に満面の笑みで頷いた。


こうして、お騒がせ長井先生の訪問は終わった。


「さくら、やっと二人で――」


――♪~♪~


「あ……宮古先輩です。出ますね……先生!」


先生が勝手に留守電に変えた。

そして、私を抱きよせ、肩に顎を乗せてきた。


「ちょっとだけ……」

「……もう、今は仕事で……」


「俺を癒すのも、仕事だろ……あと、さくらの不安を拭うため」

「う……仕方ないですね。少しだけなら」


宮古先輩からは、『直帰でいいわよ』と、メッセージが来ていた。

全部見透かされていると思うと、とても居たたまれない。


そんな気持ちで、咲人さんとの時が過ぎていくのでした。


結局、いちゃいちゃで終わりました( *´艸`)

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