14話
ちまちまですが、更新です。
よろしくお願いします。m(_ _)m
撮影当日。
綾野先生のインタビューのために、宮古先輩と二人で同行する。
撮影スタジオは、カフェをコンセプトとしていて、明るく落ち着いた雰囲気だ。
私達の前の撮影のグループがまだ終わらないらしく、少し待つことになった。
綾野先生は、いつもの格好で来ている。
パーカーのフードは被ったままで、黒縁の太フレームのメガネをかけている。
先生は、普段コンタクトだ。
でも、メガネをかけている方が、顔が隠れて面倒な事にならないって。
「今日は、よろしくお願いします」
宮古先輩が挨拶を交わし、雑誌の担当者と名刺を交換している。
私も慌てて名刺を取り出した。
企画の担当は、ショートヘアがよく似合う真島さん、いかにもキャリアウーマンな女性だった。
「それで、綾野先生はどちらに?」
そう、尋ねられて後ろを振り向くと先生がいない。
「え?先ほどまでここに……」
撮影スタジオを見渡すと、よその撮影に紛れ込んで、ちゃっかり見学している。
静かに素早く、綾野先生の腕を引っ張って連れ戻す。
「すみません!こちらが、綾野先生です」
「あ、どうも」
綾野先生はおざなりな挨拶をして、またすぐ周りの観察に戻った。
「へー、撮影スタジオってこんな風になっているのか」
作品のインスピレーションが閃いたのか、感心しながらスマホで撮っている。
真島さんから、先に綾野先生の着替えとヘアメイクをします。と、控え室に案内されていった。
「桜ちゃん!」
声の方を見ると、詩織さんが控え室から顔を出し、こちらに手を振っていた。
「詩織さん!どうしてここに?」
「ふふっ、メイク担当するから、サクの撮影を見学させてと頼んだのよ」
そんなに先生の撮影見たかったのね、詩織さん。
「姉貴は面白がってるだけだろ」
「サクが桜ちゃんの前でかっこい――」
バタン!
扉が閉まった。
私が?なんだろう。
綾野先生の準備が終わるまでに、宮古先輩とインタビュー記事の内容を確認しておく。
前のグループの撮影が終わり、綾野先生の準備も整って撮影が開始となる。
綾野先生は、ベージュのニットカーディガンに、白のカットソー。カーキ色のパンツで柔らかい印象に纏まっている。
髪の毛はフワッとしてくせっ毛だけど、少しカットして、襟足がスッキリとしている。
いつもそのまま下ろしている前髪も、今は流しているので、大人っぽい。
チークが入って血色も良く。涼やかな目元と、すっと通った鼻筋が強調されて、イケメン度がぐんと跳ね上がっていた。
元々イケメンではあるけど、普段が猫背でどんよりしているから、同じ人には見えないかもね。
それにしても、メイクの力っていうか、詩織さんすごいな。
「先に写真撮影ね。王子様風でお願いします」
宮古先輩が、撮影スタッフさんに頼んでいた。
綾野先生の中身は――読者層から考えたら、無愛想より王子様の方がいいよね。
撮影に入る直前。綾野先生がこちらに大股で近づいてきた。
じっと私を睨み付けてきて、思わず身構える。
私……何かやらかした?
「――何もない?」
先生が、ボソリと言葉を発した。
私は思わず、目を瞬いた。




