13話
今回は前回より短めですが、さくっと読んで頂けると思います。
よろしくお願いしますm(_ _)m
編集部での、作家先生達のスケジュールの確認をしていたとき。
宮古先輩から爆弾が落ちる。
「桜ちゃん。綾野先生に雑誌のインタビューの仕事が来ているの。予定を調整しないと――」
「ええ!綾野先生への取材申し込みが来ているんですか?」
宮古先輩はにっこり笑って肯定した。
TL小説レーベルを主に扱う出版社が出している雑誌で、『若手イケメンTL作家』として写真付きで掲載されるらしい。
そして、説得役に駆り出される私。
綾野先生のマンション。
先生は、小説のラストを仕上げ中。
待っている間に、わんこのブラッシングをしていた。
わんこはすっかり、私に懐いている。
「――と、いう話しがきてまして。」
事の経緯を話す。
「なにそれ、面倒」
こちらも見ずに断られた。
「でも、メディアに出ると部数が伸びるじゃないですか?先生、イケメンだし……」
とか言って説得しろと言われたけど、この言い方では無理に決まってる。
「俺、そういうの嫌なの――正直、部数とかどうでもいいし」
ほら、やっぱりね。
「私は……先生の作品の中身で、ファンになってほしいんですけどね」
ぶつぶつ言ってたら、全部口から出てたみたい。
はっ!と気付いて慌てる。
目の前で、先生の顔がかーっと赤くなった。
何だか二人で照れてしまった。
だがしかし、私の今回のミッションは『雑誌インタビューと撮影』の承諾を得ることだ。
心を鬼に――は、違うんだけど。
口でも勝てない――でも、説得してみせる!
そんな風に息巻いたものの、先生にのらりくらり躱される。
結局、宮古先輩にヘルプした。
先生に断られたことを伝えたら、すぐにすっ飛んできた。
「だめです。今回は申し訳ないけど、インタビューに答えて撮影もしてもらいます」
宮古先輩の隣で小さくなって、綾野先生の対面に座っている。
「今回は、雑誌のスポンサーとの兼ね合いもあって、綾野先生が適任なのよ」
どうやら、スポンサーの製品を綾野先生に着用してもらって、雑誌に載せたいらしい。
綾野先生の作品の宣伝とスポンサーからの要望を叶えられて、編集部的にはWin-Winなんですって。
「な、なるほど。そういう事情もあるんですね」
「そうよ。桜ちゃん、覚えておいた方がいいわよ」
綾野先生は、気乗りしない顔で話だけは聞いてます、って態度だ。
「スポンサーの企業――ああ、カジュアルだけど綺麗め。落ち着いた雰囲気で、勢いのあるブランドですね」
ふと、先生と服を脳内でマッチングしてみる。
「――先生がこれ着て写真撮るなら、見てみたいな」
綾野先生が、急にガバッと顔を上げて真剣な表情を見せる。
「宮古さんと編集部にはお世話になってるし、分かった、やる」
とても良い笑顔で承諾してくれた。
「桜ちゃん、助かったわ」
宮古先輩にサムズアップされたけど、私は何がなんだか分からなかった。
とりあえず、インタビュー楽しみにしてますと、先生に声をかけた。




